米連邦通信委員会(FCC)は米国時間11月2日、AT&TとBellSouthの合併承認に関する投票を再度延期した。本件に関する投票の延期は3度目となる。この延期は、FCC委員が合併条件について合意できなかったことが原因だ。
今回の投票は、3日開催のFCCの公開会議中に行われる予定だったが、2日遅く、FCCはこの項目を議題から外す通知を送った。
買収額約800億ドルで提案されているこの合併は、一切の条件なしに10月に米司法省反トラスト局の承認を得ている。FCCの承認は、今回の合併が成立するにあたって乗り越える必要のある規制上の手続きとしては最後の関門となる。
前回予定されていた10月13日のFCCによる投票の前、民主党所属のJonathan Adelstein委員とMichael Copps委員は司法省がこの合併に一切条件をつけなかったことに憤りをあらわにした。合併の承認を目指すAT&Tは、13日の会議の前に新しい提案を提出した。
共和党委員がこの提案について検討する時間を要求したため前回の投票は延期された。共和党委員はまた、同提案に対するパブリックコメントの募集も求めた。
パブリックコメントを受け付けてから3週間が経過するが、委員会は今回の合併問題について依然として行き詰まっているようだ。複数の通信業界の専門家らによれば、現状では5人目の委員会メンバーである共和党所属のRobert McDowell氏が、本合併に関する投票に参加せざるを得ないと予測している。McDowell氏は委員就任前に、AT&TとBellSouthの合併に反対する組織であるComptelに勤めていたことから、投票の棄権を表明していた。
複数の消費者団体が、AT&Tの提案は競争を保護し、消費者に利益をもたらすだけの材料を提供していないと批判している。AT&Tが提案している譲歩案の多くは、同社がSBCと合併した際に課された条件を拡張したものに過ぎない。追加の譲歩案には、月額10ドルの新ブロードバンドサービス、無料モデム、同社のネットワークを利用する他のサービスプロバイダに対する現在の料金の一時的な凍結の保証などが含まれている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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