米連邦通信委員会(FCC)は米国時間10月13日、買収額800億ドルで提案されているAT&TとBellSouthの合併承認に関して、予定されていた投票を取りやめた。
FCCは当初、10月12日の定例会議で本合併に関して投票する予定であったが、予定を変更し、投票を10月13日の米国東部夏時間午前11:00に延期していた。
FCCは本合併に関し、民主党と共和党で意見が分かれている。情報筋によると、同委員会委員長である共和党所属のKevin Martin氏は無条件に本件を承認しようとしているという。しかし、民主党所属のJonathan Adelstein氏とMichael Copps氏の委員2人は先週、米司法省が無条件に合併を承認した際、憤りをあらわにしている。
Reutersの報道によると、民主党の歩み寄りを図るため、AT&Tは10月12日、FCCに代替案を提出したという。
10月13日午前、Adelstein氏とCopps氏は、Martin氏に書簡を送付し、合併に対する諸条件について考察する時間を設けてほしいと訴えた。これに対しMartin氏は、提案を10日間公開レビューすることを認め、その後合併に関する委員会投票を行うと、書面で回答した。会議は11月3日に開催される予定である。
FCCの委員5人のうち3人は共和党所属だが、共和党の1人であるRobert McDowell氏が投票の棄権を表明しているため、2人の民主党員のうち少なくとも1人の承認が得られなければ、本合併は承認されない。McDowell氏はFCC委員就任前に、AT&TとBellSouthの競合企業を代表する団体に所属していた経験を持つ。
AT&TとBellSouthは近距離通話、長距離通話、またはブロードバンド市場では直接の競合企業ではないが、ビジネス顧客に対しては競合している。合併が成立すれば、全米22州でサービスを提供する米国最大の電話会社が誕生する。また合併によりAT&Tは、AT&TとBellSouthの合弁会社であるCingular Wirelessも傘下に収めることになる。
AT&T幹部は、FCCが無条件に合併を承認するべきであると主張している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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