NECは、愛知万博「ロボットステーション」内の「ロボットふれあいルーム」 で6か月間にわたり進めてきた「チャイルドケアロボットPaPeRo」の技術実証 運用を完了し、その成果をまとめた。このプロジェクトは独立行政法人新エネ ルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業として行われたもの。
「ロボットふれあいルーム」で3才から12才の子供を対象にした「ロボット ふれあい体験」の参加者数は、のべ2万7千人。これらのやり取りを通じ、各種 機能や技術の完成度を高めながら今後の研究のためのデータを集めた。
まず、子供との会話機能「パペトーク」で、子供がよく発する言葉の認識語 への追加や、子供が意味を把握しにくい表現の平易な表現への変更など、各種 の改良実施。また、子供に好評だった歌や早口言葉のバリエーションを追加し たほか、現場での観察・ヒアリングを通じて、子供に物語を聞かせる「パペス トーリー」、PaPeRoが子供の綱引きの行司役を行う「パペ運動会」の2つの新 シナリオを開発し、追加投入した。
騒がしい展示会場での運用を通じた検証・改良で、子供が満足できる音声認 識性能を検証、その他の顔認識機能・携帯電話連携機能・超音波タグ機能など も、実運用を通じて性能や安定性を向上をはかった。また、各種センサを追加 するなどでより安全性も高め、6か月間無事故で技術実証運用を完了、ロボッ トの安全性を確認した。
今後、こうして収集したデータの分析や各種調査を継続し、「子供がロボッ トと接したことによって受けた影響の分析」「子供がロボットに愛着を持つ要 素の分析」「ロボットの会話・動作の各要素が、人に与える印象の違いの分析」 などを人文系大学との共同研究として行っていく。
同社では、今回の「チャイルドケアロボットPaPeRo」の開発、および愛知万 博での技術実証運用の成果をふまえ、今後もロボットの実用化に向けた認識技 術や知能化技術の研究開発、応用開拓を推進する。また、今回開発した技術は、 NECシステムテクノロジーから販売しているロボットソフトウェアプラットフォ ーム「RoboStudio」に、顧客からの要求に応じて随時搭載していく予定。
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