サンフランシスコ発--Intelが米国時間9月27日に発表した2つの取り組みによって、他のチップメーカーは自社のプロセッサをIntelのプロセッサと緊密に連携させられるようになるだろう。
1つ目の動きとしてIntelは、XilinxとAlteraの2社が製造する特定用途向けチップをIntelのフロントサイドバス(FSB)に接続できるようにする。Intelは現在、このFSBを用いて同社のプロセッサを他社のプロセッサ、メモリ、その他のコンピューティングサブシステムに接続している。
2つ目の動きは「Geneseo」というコード名で呼ばれているもので、PCI技術を向上させて、さまざまな種類のアクセラレータチップをサポートできるようにするものだ。当地で開催中の「Intel Developer Forum」においてIntelのDigital Enterprise GroupのジェネラルマネージャーであるPat Gelsinger氏が発表した。なお、IntelはGeneseoをIBMと共同開発している。
これらの2つの取り組みは、Intelから(特にサーバ部門における)シェアを奪ってきたライバルのAdvanced Micro Devices(AMD)に対抗するためのものである。AMDが提供している接続技術は「HyperTransport」と呼ばれている。HyperTransportは当初AMDによって開発されたが、現在はコンピュータ業界における複数の企業によって共同開発され、コンピュータの入出力サブシステムとの接続、あるいはプロセッサ間の直接高速接続を実現している。
またAMDの「Torrenza」テクノロジを用いることで、グラフィックチップ、数値計算プロセッサ、ビデオゲーム向けの物理計算処理エンジンといったコプロセッサをHyperTransportに接続することができる。Intelはこのテクノロジに相当する、「CSI」と呼ばれるテクノロジを開発中である。
しかしGelsinger氏は、そういったアクセラレータをコンピュータに接続する方法としてはPCI(Peripheral Component Interconnect)の方が適していると述べた。
同氏は「GeneseoによってPCIインタフェースに大きく弾みをつけ、台頭してきているさまざまなアプリケーションアクセラレータを利用できるようになる」と述べ、「これは、業界において今までよりもずっと多くの部分に利益をもたらすものだ」と付け加えた。
Intelは、PCI標準を策定するPCI Special Interest Group(SIG)がGeneseoをPCI Express 2.0(2007年発表予定)の後継として採用することを期待している。Gelsinger氏によれば、Geneseo自体は早ければ2008年に発表されるという。
Intelは業界のパートナー企業と提携関係を結んでいるため、Geneseoがいつ現実のものとなるかを予測するのは困難である。Gelsinger氏によれば、こういったテクノロジの開発には通常12〜18カ月を要し、市場投入までにはさらに12カ月を要するという。
Geneseoに関してIntelのパートナーとして提携関係を結んでいる企業はIBM、Dell、Hewlett-Packard、Nvidia、QLogic、Emulex、ClearSpeed、Broadcom、NetEffect、Adaptec、Myricom、Cisco Systems、VMwareなどである。
この中に入っていない企業として、サーバメーカーであり、AMDベースのx86サーバのみを販売するSun Microsystemsがあった。しかし、Sunのx86サーバエンジニアのリーダーであるAndy Bechtolsheim氏は、Intel Developer ForumのプレゼンテーションにおいてGeneseoへの支持を表明した。
「アクセラレータの点から捉えれば、市場において最も幅広く受け入れられる可能性があるのはPCIスロットである」と述べた同氏は、「これは既存のPCI Expressスロットの延長線上にある。このことは、業界においてPCI Expressが幅広く採用されている点に着目すれば、大変重要である」とも述べた。
演算アクセラレータを製造するClearSpeedのアプリケーション担当バイスプレジデントであるSimon McIntosh-Smith氏も支持を表明している。同氏はプレゼンテーションにおいて、ClearSpeedはTorrenzaのパートナー企業であるが、Geneseoに組み込まれたソフトウェアサポートは利点をもたらすことになるだろうと述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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