サンフランシスコ発--Intel幹部は米国時間9月26日、同社が11月にリリースする新たな4コアプロセッサ「Kentsfield」は、一部のアプリケーションの動作に関して、PCパフォーマンスを70%向上させると述べた。
IntelのDigital Enterprise Groupでグループ事業ディレクターを務めるSteve Smith氏は、当地で開催されている「Intel Developer Forum」に出席し、「Core 2 Extreme QX6700」という正式名称で呼ばれる予定のKentsfieldは最大消費電力130ワット、動作クロック2.66GHzで動作し、現時点では最も高速な80ワット、2.93GHzのデュアルコア「Core 2 Extreme X6800」を超えるパフォーマンスを実現すると話した。
また11月には、サーバ向けの4コアプロセッサ「Clovertown」(正式名称は「Xeon 5300」)も発表される予定で、同じ80ワットの現行モデル「Woodcrest」(Xeon 5100)と比べ、50%の高速化が図られていると、Smith氏は付け加えた。こうしたパフォーマンス向上の比率は、整数演算テストによって計測したものだという。
Intelは、ライバル企業AMDの競合製品より数カ月早く4コアモデルを市場に投入することを、さかんに喧伝している。2005年にデュアルコアチップをリリースしたときは、両社が相次いで同様の製品を発表するという状態だった。もっともIntelの関係者は、「われわれはレースをしているわけではない」と強調している。
両社の4コアプロセッサ戦略には、それぞれ独自の特徴が見られる。例えば、2007年半ばに登場するAMDのモデルは、一片のシリコン基板に4つのプロセッシングコアが配置されたものになるという。
一方Intelは、2つのデュアルコアチップを一体化させ、1つのチップソケットに挿入するというスタイルを採用している。具体的には、Kentsfieldは2つの「Conroe」チップを、Clovertownは2つの「Woodcrest」チップを実装する。
「こうした戦略の採用によって、他社に先んじることができるというアドバンテージが生まれる。競合社が同種のチップを出荷するであろう時期までに、当社はサーバ向けの4コアプロセッサを大量に提供できると見込んでいる」(Smith氏)
Smith氏は、複数のチップを組み合わせるIntelの戦略には、製品化までの時間短縮以外にもメリットがあると話した。例えば、デュアルコア製品であろうと4コア製品であろうと、同じチップを利用できるので、市場の要求に合わせて製品を統合していくのが容易になるという。また、効率的にシリコンウエハからチップを切断できるようになるので、生産性も向上するという。
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