WiMAXはジャングルを征服することができるか?Intelが実施した初期実験によるとその可能性はあるということだ。
チップメーカーのIntelは、ブラジルの学校および企業と共同で、容易にアクセス可能なブロードバンドを、アマゾン川流域の島にある人口11万4000人の孤立した都市パリンチンスに敷設した。
島には長距離ワイヤレス技術であるWiMAXのアンテナ塔が設置され、2つの学校、病院、コミュニティセンター、および大学がブロードバンドネットワークに接続された。Intel Latin Americaで地域ディレクターを務めるRicardo Carreon氏によると、これまでインターネットにアクセスする主な手段は、ダイアルアップ接続だったという。ブロードバンドを利用するためには、マイクロ波か衛星を使うほか選択肢がなかった。WiMAXネットワークの公式開通式には、Intel会長Craig Barrett氏が現地を訪れた。
WiMAXネットワークを利用することで、ブラジルの内陸深くに住む人々を取り巻くさまざまな問題が解決する可能性がある。例えば病院は、遠隔医療や遠隔診察のためにこのネットワークを利用することができる。同市には病院は1軒しかなく、医者は32人しかいない。
Carreon氏は「専門医が必要な場合は、マナウス(パリンチンスからボートで15時間)かサンパウロまで行かなければならないことが多い」と述べる。
Intelの予測によると、約1500人の学生と約1万人の地域住民が新しいネットワークを利用することになるという。
新興市場はPCおよびテクノロジー企業にとって大きなビジネスチャンスの1つであり、中でもブラジルは将来有望な国の1つである。ブラジル経済は急速に成長しており、ブラジル政府は国内のテクノロジー業界の発展に強い関心を示している。
ブラジルは以前PCを広く導入しようとし、うまくいかなかった経験を持つが、Intelやその他の企業は、自社の製品やサービスをブラジルなどの国の市場に最適な形にカスタマイズして提供する努力を続けてきた。
パリンチンスプロジェクトにより、Intelは長年推進してきたWiMAX技術を強調することもできた。先進国ではWiMAXへの関心の多くは、Wi-Fiに代わる規格の導入に関するものである。一方、新興市場国ではWiMAXは、厳しい環境や貧しい国において溝を掘ってケーブルを引くことなく接続するための手段であるとみなされている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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