Intelは米国時間9日、同社が国際的な展開を目指すWiMAXの拡大につながる新たな試みを複数発表した。WiMAXは、都市部などの広い範囲をカバーするワイヤレスネットワークである。
同社は、台湾経済部との共同プロジェクトの一環として、M-Taiwan(Mobilize Taiwan)プロジェクトの契約を11億2000万ドルで結んだという。
台湾政府は、協力の一環としてWiMAX用の周波数域割り当てを監督することになる。WiMAXは、固定および無線のブロードバンドアプリケーションの仕様を定めたIEEE 802.16e標準である。同経済部は、WiMAXの実地試験を2008年まで支援し、運用開始時の参加を希望する企業を支援する見通しだ。
IntelのMobility Groupを率いるSean Maloneyは、「現時点では、台湾がこの分野で先行する可能性が非常に高い」と語っている。
ただし、台湾との提携は、Intelがここ1カ月の間に獲得したWiMAX関連の複数の契約の1つに過ぎない。
同社は、欧州、南アメリカ、および北アジアの13カ所で新たにWiMAXを導入することも発表した。また、年末までにさらに10カ所で同ネットワークがIntel主導で立ち上がる予定だという。Airspan、Alcatel、Alvarion、およびRedline Communicationsなどの企業が導入を支援している。
利用されるネットワーク機器は、「Intel PRO/Wireless 5116」ブロードバンドIFプロセッサがベースになっている。これまで「Rosedale」という開発コード名で呼ばれていた同チップは、ワイヤレスモデムやレジデンシャルゲートウェイ向けのチップである。Intelでは、デスクトップやノートPC向けのWiMAX対応チップを2007年もしくは2008年に発表する予定だ。
フランス、メキシコ、ドミニカ共和国、ウルグアイ、スペイン、アイルランド、ポーランド、フィンランド、グアテマラ、ウクライナ、オーストリア、スロバキアなどの各国では、家庭用の基本的な高速アクセスからインターネット電話、そして企業、学校、政府機関の接続まで、さまざまな用途でWiMAXネットワークをテスト中もしくは運用中だ。
たとえば、BEC Telecomはドミニカ共和国のサントドミンゴを皮切りにVoIPサービスを提供中で、今後、ほかの国々にも対応していく。Intelによると、WiMAX Telecomはオーストリアのブルゲンラント州で家庭ユーザーにVoIPサービスを提供中だという。
世界展開の半ばに来たIntelは、南東アジアへのWiMAXワイヤレスブロードバンドネットワーク設置を目指すAsian Broadband Campaignの設立も発表した。同社は各国の政府、通信規制当局、公共事業担当当局、および電話通信事業者らと協力し、コンサルティングやテクニカルサービスを提供していくという。
Intelによると、マレーシア、タイ、フィリピンでは、WiMAXの実地試験を2005年末までに開始する予定だという。インドネシアとベトナムでは、実地試験を2006年に実施する予定になっている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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