Microsoftは米国時間8月30日、予定より少し遅れて、Windows XP向けの無料ペアレンタルコントロールツールの試用版をリリースした。
「Windows Live OneCare Family Safety」は、保護者が不適切と判断したウェブコンテンツを子どもに見せないようにするためのツールだ。今回一般に公開されたベータ版は、2006年3月に3000人のテスターに配布された先行プレビュー版をアップデートしたものである。
Microsoftの製品ユニットマネージャーAlan Packer氏は、「子どもの安全を守るペアレンタルコントロールは、間違いなく最重要課題だ。『MySpace』のようなソーシャルネットワーキングサイトなどが人気を博す中、この問題はますます重要になりつつある。われわれの顧客からは、オンラインでの安全性確保を支援するため、Microsoftがさらに力を尽くすべきだという声が上がっていた」と述べている。
OneCare Family Safetyの第1版は、コンテンツをふるい分け、ほかのユーザーが閲覧したウェブサイトにおけるアクティビティレポートを作成する機能を備えているという。
同製品の最終版をリリースする前に、Microsoftは「コンタクト管理」機能を追加する予定だ。同機能を利用すると、「Windows Live Mail」電子メールプログラムおよび「Windows Live Messenger」インスタントメッセージングプログラムで子どもが誰とコンタクトしてよいかを保護者が承認できるようになる。また、Microsoftの「MSN Spaces」サービスを使って子どもが開設しているブログサイトに、だれをアクセスさせるかといった制限を保護者が設けることも可能になる。
30日にリリースされたバージョンのOneCare Family Safetyは、3月のテスト版と比べて大幅な改良が施されているが、それでもまだベータ版であると、Packer氏は釘を刺している。Microsoftは、サインアッププロセスをはじめ、同製品のほかの部分にもさらなる調整を加えていく意向だという。Packer氏は、最終版は「数カ月以内」にリリースすると述べた。
Pew Internet & American Life Projectが2005年に実施した調査によると、インターネットを利用するティーンエージャーの子どもがいる米国世帯のうち、半数以上がフィルタリングプログラムを取り入れており、そうした用途のソフトウェアは1200万本も使用されているという。Microsoftの製品は、SurfControlの「CyberPatrol」といった他社のフィルタリング製品ばかりでなく、インターネットサービスプロバイダーが提供するツールとも競合していくことになる。
MicrosoftはOneCare Family Safetyのリリースに加え、2007年1月に一般販売が始まる予定の次期オペレーティングシステム「Windows Vista」にも、ペアレンタルコントロール機能を搭載しようと考えている。Packer氏は、「これらの製品は補完的なものになる」と話した。OneCare Family Safetyにはオンラインサービスが含まれ、これはVistaでも利用可能であると、同氏は説明している。
OneCare Family Safetyのベータ版は、30日から米国内で提供が始まった。9月中には、さらに34の市場で、16言語のバージョンがベータ版としてリリースされる予定だ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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