業績が低迷している米Avayaは米国時間7月24日、米国株式市場の取引終了後に最高経営責任者(CEO)の交代を発表した。
企業向け電話機器メーカーのAvayaは、Don Peterson氏に代わり、Louis D'Ambrosio氏が新たにCEOに就任すると発表した。Peterson氏は、2000年にAvayaがLucent Technologiesから分離独立してから今日まで、同社のCEOを務めてきた。Avayaによると、Peterson氏は9月30日まで取締役会長職に留まるという。D'Ambrosio氏は、IBMに数年間勤務した後、2002年にAvayaに入社した。
Avayaは、従来の電話事業に加え、IP(Internet Protocol)通信でも業界をリードする存在となっている。同社は、IP通信事業の総売上ランキングで、トップのCisco Systemsから僅差の2位につけている。
しかし、成長するIP通信市場の大手企業であるにも関わらず、Avayaは最近、コストを抑制するのに四苦八苦している。同社が7月24日に発表した財務報告によると、6月30日に終了した2006年第3四半期の利益は4400万ドル(1株当たり10セント)で、売り上げは13億ドルだった。ちなみに2005年の同四半期は、利益が1億9400万ドル(1株当たり40セント)で、売り上げは12億4000万ドルだった。
Avayaの最高財務責任者(CFO)Garry McGuire氏は声明の中で、たしかに2005年は税務当局との和解および繰延税金の調整などによる利益1億2300万ドルが含まれていたが、コストも増加してきており、Avayaの事業に影響を及ぼしている、と語った。
Avayaは、従来の電話ネットワークからIPベースの新しいネットワークへ移行しつつある大企業からのビジネス獲得を目指している。しかし、Microsoftが新製品を携えてIP通信市場に参入し、AvayaのライバルであるNortel Networksと提携したことから、Avayaは厳しい競争にさらされている。
Avayaは、変化しつつある音声市場における新戦略の一環として、ハードウェアではなくソフトウェア製品の提供に力を入れている。アナリストらは、Avayaの今回のCEOの交代について、同社が市場の変化に備えていることを示す良い兆候だ、と好意的に受け止めている。
市場調査会社Yankee Group Researchのアナリスト、Zeus Kerravala氏は「(CEOの交代は)Avayaにとって賢明な策だ」とし、さらに次のように続けた。「Lou(D'Ambrosio氏)は、ハードウェアの販売メーカーからソフトウェアやサービスを提供する企業に移行しているAvayaのCEOとして適任だ。彼がAvayaに入社する前に勤務していたIBMも数年前にハードウェアメーカーからソフトやサービスの企業に変わった」
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス