Microsoftは米国時間7月19日、選択の自由と競争を確立するために、「Windows Vista」を含む今後のあらゆるOSの開発方針を、自主規定に沿わせていくと宣言した。
Microsoftの法律顧問Brad Smith氏は、こうした自主規定は、同社に対する大規模な独占禁止法違反訴訟に関連して、米政府が発布した法令が2007年に失効したあとに運用を始めると述べている。これらの自主規定は、ユーザー、メーカー、開発者がWindows Vistaおよびその後継製品の利用において自由を得られるようになることに焦点を当て、作成されているという。
Smith氏はNew America Foundationが主催した昼食会に出席し、「Microsoftが、ソフトウェア市場における活発な競争と重要なイノベーションへの関わりを維持していくことを、ここに明言する。次世代のWindows OSであるVistaの開発も、そうした方針に従って進めていくつもりだが、その方法についても説明したい」と発言した。New America Foundationは公共政策のシンクタンクで、Googleの最高経営責任者(CEO)であるEric Schmidt氏が役員を務めている。
Microsoftが定めた規定の下、ユーザーおよびメーカーは、Windowsの初期設定の変更、ソフトウェアのインストール、基本機能の削除などを任意に行えるようになる。さらに、広範なAPIが開発者に開放され、一定の条件を満たせば、Microsoftの通信プロトコルおよび特許技術をだれでも自由にライセンスすることが可能になる。
自主規定に関する発言がなされたわずか1週間前には、欧州の規制当局が、2004年の独占禁止に関する裁定に従わなかったとして、Microsoftに3億5730万ドルの罰金を科した。このほか、米連邦裁判所も複数の独占禁止関連規定をMicrosoftに適用している。これらの規定は2007年11月に期限切れとなるが、Microsoftは連邦および州検察と協議した結果、2006年5月に、同社の通信プロトコルのライセンスに関わる規定の一部を2009年まで延長適用することを了承した。
もっとも、19日に発表された自主規定が独占禁止法に代わるものではなく、十分に大局的なものでもないことは、Smith氏も認めている。「これらの自主規定が、あらゆる問題を現在未来にわたって解決する答えだなどと言うつもりはない」(Smith氏)
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