カリフォルニア州マウンテンビュー発--Googleの経営陣は、同社とMicrosoftとの戦いはあまり深刻に受け止めていないとしつつも、規模で勝るMicrosoftが新OS「Windows Vista」へのウェブ検索機能の搭載を計画していることには注目していると語った。
同社の共同創業者であるSergey Brin氏は米国時間10日、当地で行われたGoogle Press Dayでの記者団との質疑応答のなかで、Vistaに対する同社の懸念についての質問を受けた。同氏は、Microsoftはかつて反競争的な振る舞いをしていたこともあったとし、1990年代なかばにNetscape-Internet Explorer間のブラウザ戦争が激化していた当時のことを挙げた。
「Microsoftの歴史をみれば、同社が反競争的に振る舞い、フェアに戦っていなかったことはすぐにわかる。したがって、同社の力が悪用される可能性のある分野には注意したい」(Brin氏)
だが、Googleは概して、新しい製品やサービスの準備に忙しく、Microsoftの行動にはあまり注意を払えないと、同社の幹部らは語った。
共同創業者のLarry Page氏は、技術革新に専念できるよう、「(Microsoftの)行動はあまり気にしないようにしている」と述べた。同氏は、そうした技術革新の一例として無償のウェブメールサービス「Gmail」に触れ、「われわれがGmailを公開したことで、他社はこの動きへの追従を余儀なくされた。われわれのほうが追従する必要はなかった」と述べた。
同社CEO(最高経営責任者)のEric Schmidt氏は、各種のサービスをウェブから提供しているGoogleと、OS市場を独占するMicrosoftとを敵対しているように描くメディア関係者は大局を見落としていると語った。
「勝者が1人である必要はない。双方の戦略が他社の動きとは関係なく共存できる」(Schmidt氏)
一方、「Big Daddy」と呼ばれる新しいインデックスへの移行について聞かれたBrin氏は、サイトがインデックスから消滅もしくは欠落しているとして各サイトのウェブマスターから寄せられている苦情について、同社が調査を進めていることを明らかにした。同氏は、古いインデックスよりも「新しいインデックスのほうが全体として極めて包括的だ」と語った。
Googleのテレビ関連計画について聞かれたPage氏は、「検索キーワード広告をビデオ分野でも活用できることにワクワクしている」と語った。
「音楽分野と同じような形で、テレビ関連の市場が立ち上がれば素晴らしいと思う。そこに多数の企業が参入し、(ユーザーが)あらゆる種類のコンテンツを、あらゆる種類のコンピュータに、どこからでも取り込めるようになれば素晴らしい。ただし、現実問題として、これを透過的に実現しようとするとまだかなりの作業が必要になる」(Page氏)
Googleが2004年に株式公開を果たして以来、同社の幹部らが予め定められた計画に従って大量の持ち株を売却していることについては、Brin氏は処分した株式の数は自分の持ち株全体のごく一部に過ぎないと述べた。
「私は自分の持ち株の約20%程度を売却したが、いまだに残りの80%は保有しており、そのことに満足している」とBrin氏。「たいていの人は、資産の80%を1社の株式という形で保有してはいないと思う。全体の一部を取り崩しはしたが、残りの大部分は永遠に手放さないつもりだ」(Brin氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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