2004年に下された独占禁止の裁定を遵守しなかったとして、欧州委員会はMicrosoftに対し、2億8050万ユーロの罰金を科す決定を下した。
欧州委員会の現地時間7月12日午前の発表によると、Microsoftには、2005年12月16日までさかのぼって、1日あたり150万ユーロの罰金が科されるという。
Competition CommissionerのNeelie Kroes氏は記者会見で「Microsoftに裁定を遵守させるうえで、これくらいの金額を科せば十分だろう。(裁定を遵守する意向を)態度で示すべきだ」と述べた。
また同氏は、独占禁止の裁定に従わなかったことで罰金を科される企業はMicrosoftが初めてだと、付け加えている。
欧州委員会は以前より、Microsoftが裁定に従っていないと判断されれば、罰金は1日あたり200万ユーロに達する可能性があると述べていた。Microsoftは2004年、Windowsと互換性のあるサーバソフトウェアを開発するうえで手助けとなる情報を競合企業に提供せず、市場競争を妨げたとする裁定を下された。
また欧州委員会は当時Microsoftに対し、公正な競争に必要とする情報を競合に提供するように求めていたが、今回、この裁定が守られなかったとの判断が下された。
Kroes氏によれば、Microsoftが引き続き消極的な態度をとるようであれば、罰金額を1日あたり300ユーロまで引き上げるという。
「仕様に関する情報を完全かつ正確に提供しなければならない。裁定に遵守して最新のドキュメントが提供されないようであれば罰金額の引き上げも検討しなければならない。Microsoftはこれまで、仕様のうち、適切な箇所を提示することすらできていない」と同氏は述べた。
一方のMicrosoftは、欧州委員会の要求に応えていないとする今回の判断に異議を唱えている。
Microsoftの弁護を務めるBrad Smith氏は次のように述べている。「Microsoftは欧州委員会の裁定やプロセスを真摯に受け止めてきた。欧州委員会の当初の裁定には不透明な部分があること、さらに2年間にわたってわれわれが誠実な対応をしてきたことを考えれば、罰金は不当だと思われる。今回言い渡された高額な罰金などは論外である。われわれの裁定遵守のための活動が十分だったか、欧州委員会の科した前代未聞の高額な罰金が正当なものであるかを欧州の裁判所に問いたい」
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」