マイクロソフト、企業向けセキュリティ市場参入と待ち受ける課題 - (page 3)

文:Joris Evers(CNET News.com) 翻訳校正:河部恭紀(編集部)2006年07月04日 21時34分

競合他社からの批判

 独占禁止法に触れるのではという懸念もある。MicrosoftはForefrontをWindowsとの統合性が高い製品として売り込む可能性があるが、競合他社の知らない仕掛けをOSと組み合わせて利用するようなことがあれば、監督機関の厳しい取り調べを受けることになるとアナリストは見ている。

 実際、一部のセキュリティ関連小企業から、Microsoftのセキュリティ関連製品の価格設定について不満の声があがっている。フロリダ州クリアウォーターに本拠を置くスパイウェア対策ツールベンダーSunbelt Softwareの社長Alex Eckelberry氏は、先週、ブログへの書き込みで、MicrosoftのOneCareおよびAntigenシリーズの一連の製品が略奪的価格形成に相当すると指摘している。

 つまり、競合他社よりも価格を下げて他社を市場から撤退させ、その後、価格を上げるという戦略だ。

 Jaquith氏はそうした批判を一蹴する。「創造的かつ積極的な価格設定だとは思うが、略奪的とは思わない。そもそも、既存のセキュリティ製品の価格は大いに見直しの余地がある」(Jaquith氏)。

 そうした状況のなか、そろそろMicrosoftはセキュリティ戦略を具体化し、ユーザーに公開しようとしている、とJaquith氏は語る。「遂にMicrosoftはその戦略を発表した。『エンジン全開で突っ走る』戦略だ」(Jaquith氏)。

Forefront概要

Microsoftは、企業向けセキュリティ製品ラインForefrontの詳細を発表した。

Forefront Client Security

旧称:Microsoft Client Protection
機能:PCおよびサーバをスパイウェア、ウイルス、その他の攻撃から保護。
リリース予定:2006年第4四半期に公開テスト。2007年第2四半期に正式版リリース。

Forefront Security for Exchange

現在の名称:Antigen for Exchange
機能:Microsoft Exchange Server 2003および Exchange 2000 Server向けの電子メールウイルス対策およびコンテンツフィルタリング。
アップデート予定:2006年第2四半期。

Forefront Security for SharePoint

現在の名称:Antigen for SharePoint
機能:Microsoft SharePoint コラボレーションサーバ向けのウイルス対策、コンテンツ/ファイルフィルタリング。
アップデート予定:2006年第2四半期。

Antigen for Instant Messaging

機能:Microsoft Live Communications インスタントメッセージサーバ向けのウイルス対策、コンテンツフィルタリング。
アップデート予定:Forefront 版のアップデート情報なし。

Internet Security and Acceleration (ISA) Server 2006

機能:ファイアウォールおよびWebキャッシュサーバ。アプライアンスも販売。
アップデート予定:Forefront版は、2007年第2四半期以降にリリース予定。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ

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