船頭多くしてどこへゆく・・・ゲイツ氏の引退宣言で浮かび上がる新しい疑問 - (page 2)

文:Ina Fried(CNET News.com) 翻訳校正:尾本香里(編集部)2006年06月22日 12時35分

 明らかにこうした業務に含まれると思われるのがWinFSだ。同社は、Windowsのファイルシステムを改善すべく10年ほど前から開発に取り組んでいる。

 Gates氏自身も、Ozzie氏にWinFSの作業に力を入れ続けるよう依頼するつもりであることを先週のインタビューで明かしており、手塩にかけてきたプロジェクトが不安な時期に突入する可能性があることを感じているようだ。

 Gates氏はCNET News.comに対し、「統合型ファイルストレージについても、いくつか課題がある。Rayには、私が統合型ストレージの正しさを本気で信じていることをよく伝える。そうすれば私がここにいない間でも彼が代わりにこの仕事を引き継いでくれるだろう。(開発には)長い時間がかかっており、またわれわれがこの方向に向けてとった動きのなかには、それが非常に困難なチャレンジであることを示すものがある。だが、わたしはいまでも、これが正しいアイデアだと強く信じている」と語っている。

 とは言うものの、Silver氏は今こそだれかが反論しても良いのかもしれないという。「ある時期に来たら、だれかが一歩下がった視点から、今はまだ適切な時期ではないかもしれないことを進言する必要がある。Billはあまりに熱を入れ過ぎたかもしれない」(Silver氏)

 MicrosoftはWinFSの開発を懸命に続けてきたが、この技術は今も苦しい状況にある。

 Server and Tools部門を率いるBob Muglia氏は先週行われたインタビューのなかで、「WinFSは、われわれが明らかに先走ってしまったものの例だと思う。それだけは確かだ」と述べている。

 技術自体は今秋WinFS Beta 2に到達するものの、Windowsがこの技術を導入するのかどうか、そしてそれがいつになるのかはまだ明確でない。Muglia氏によると、WinFSの機能の一部はまずSQL Serverに投入され、それから時間をかけて今後の計画を練っていくという。

 「WinFSのような技術の構築には、2年ほど費やして技術を温め、フィードバックを集めていく方法が適しているし、今後は確実にそのようにする」(Muglia氏)

 一方Gillen氏は、Gates氏の引退計画全体に関して、技術面の主導権をOzzie氏をはじめとする人々に引き渡すことは今の時期のMicrosoftにとって間違いなくメリットがある、と語っている。

 「同氏はおそらく、『既存の製品群を今後どうするのか』という視点からではなく、『世界がどう変化しているのか』という視点から世界をもう少し明確に見られる人物だ」(Gillen氏)

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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