ワシントン州レッドモンド発--Bill Gates氏には「後悔することはまったくない」という。
この30年間、Microsoftのソフトウェア戦略をリードしてきたGates氏は過去を振り返って、あの時ああしておけば良かったと思うことはないと述べた。
Gates氏は米国時間15日、2008年半ばより、Microsoftで非常勤で勤務することを発表したが、この発表の直後に行われたインタビューのなかで、「後悔することは何もない」と語った。「たしかに、われわれはこれまでいくつかの過ちを犯したが、しかしそれらはいずれも何かを学び取り、物事をもっとうまくやるためのチャンスだった」(Gates氏)
ただし、Gates氏にはやり残した事柄もたくさんある。そのなかには、いくつかの新しい課題--たとえば、コンピュータプログラミングの新しいモデルを実現することだけでなく、長年の夢となっているWindows用の新しい統合型ファイルストレージシステムの実現など以前からの懸案もある。
「これは人々が私に真剣に取り組ませたいと思っている事柄だ。なぜなら、(その開発には)長い時間がかかっており、またわれわれがこの方向に向けてとった動きのなかには、それが非常に困難なチャレンジであることを示すものがあるからだ」(Gates氏)
News.comは、今回の発表を終えた直後のGates氏と(Microsoft CEOの)Steve Ballmer氏に、Gates氏とMicrosoftの過去および将来の計画について話を聞いた。
Gates氏(以下、敬称略):はるか彼方にある地平線に目を向け、現在はほんのちっぽけな存在でしかないけれども、やがては台頭してきて大きくなるようなものを見つけ出すこと。私はこれからも会社のためにそうしたことをずっとしていくと思います。たとえば、インターネットでのビデオ配信とか、ビジョンを描く能力とか、あるいは・・・ロボット関連の事柄など--これらはすぐには実現されないでしょうが、それでも私たちはその分野でのインキュベーションを行っています。今後5〜10年後にはそれが重要なものになる可能性があるとわれわれが考えているからです。
Ballmer:Billには、引き続きインプットを期待しています。ただしそれは、私の個人的なビジョンに対して貢献してくれるものではなく、わが社の経営陣からビジョンを引き出すためのものとしてです。これからの2年間も、その後についてもその点は変わりません。さらに私はBillに対して、彼が示唆してくれることを自分たちで予想できるようになると約束しました。これは、Microsoftをこれほど幅広くしかも重大な議題を持てるようなところにまで持っていくことの一部であり、またそのことは私のような人間だけでなく、次代を担うリーダーたちによっても進められなくてはなりません。
正しい資質を持った人々を集めて、彼らに適切な枠組みを与えることです。財団での仕事には、Microsoftでわれわれがやっていることと相通じるものが多くあります。たとえば、「Xbox」や、次のバージョンの「Exchange」などについては、私は専門家ではありません。しかし、それでも「これについては考えたか、あれについてはどうだったか」と問いかけることはできます。医療分野の事柄についても、これとよく似た部分がたくさんあります。その関連の技術についても資料に目を通していますし、専門家とも話をしています。私はちょうど、この分野について可能な限り多くの事柄を学んでいるマネージャーと似たような状況にあり、またそのことを楽しんでいます。ですから、医療関連というとあなた方は「随分と畑違いな・・・」と考えられるかもしれませんが、実際にはいまMicrosoftでやっていることとそれほど大きく違うわけではありません。
Ballmer:さまざまな知識や情報を吸収し、いろいろな概念を結びつけ、それを何かに役立てるという能力に関して、Billにかなう人間はいません。正直に言って、私は財団のためによかったと思っています。Billが財団の仕事により多くの時間を割くのはすばらしいことだと思います。どんな組織に対しても、Billに貢献させることができるところには「あなた方は運がいい」と私は言うでしょう。たとえ、ITの世界とはどれほど畑違いの分野であってでもです。CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
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