Advanced Micro Devices(AMD)は米国時間5月31日、デジタルエンターテイメント分野最大のライバルであるIntelとしのぎを削るなか、「AMD Live PC」と「AMD Live Entertainment Suite」を公開した。
AMDは各社の支援を受け、コンテンツの整理、配信、共有が可能なメディアセンターPCの製造を目指す。AMDはさらに、デジタルエンターテイメントシステムの設計と運用を支援するAMD Live Entertainment Suiteという一連のアプリケーションとサービスも発売する。
今回のAMDの発表は、Intelがデジタルエンターテイメントブランドの「Viiv」を発表して1年もたたないタイミングとなった。
IntelはAMDのLive製品を「便乗」手法だと切り捨てた。
Intelの広報担当Bill Kircos氏は、「ブランド名が韻を踏むところまで完全な模倣戦略だ」と語った。
だがAMDは、同社のデジタルエンターテイメント技術はライバルとは異なるアプローチを取っている、と強調する。同社は、1月のConsumer Electronics Show(CES)で Live技術を先行公開している。
AMDのデスクトップブランドマネジャーTeresa de Onis氏は、「OEM各社向けにガイドラインを用意しているが、特定のコンポーネントメーカーやチップセットメーカーの採用を義務づけてはいない。これにより、OEM各社は自社のPCを差別化できるようになる。さらに、OEM各社にはソフトウェアスタックをわれわれから購入する必要もない」と述べている。
Endpoint TechnologyのアナリストRoger Kay氏によると、PCメーカー各社にとってはAMD Liveのコンポーネント選択の柔軟性が魅力になるかもしれないという。ただ同時にそれは、IntelのViivを採用することで得られるマーケティング助成金とはかりにかける必要があるかもしれないという。
「デスクトップでは(AMDとIntelの間に)魅力を感じるほどの価格差はないので、OEM各社はコンポーネントの価格だけでなく、パートナーとの関係、そして最も利益性の高い製品を提供するのがどこかを検討する必要がある」(Kay氏)
自社の「Athlon 64 X2」デュアルコアプロセッサを採用したAMD Live技術は、Hewlett-Packard(HP)、Acer、Fujitsu Siemens Computers、Alienware、Tsinghua TongfangのPCに採用される。HPでは、AMD Live PCをすぐに発売する見通しだが、他社はそれぞれのシステムを6月および7月に発売するとみられている。また、AMDとPCメーカー各社が結ぶのは独占契約ではない。
「Live Entertainment Suite」には主に4つの機能がある。1つは「AMD Live On Demand」と呼ばれるもので、これはOrb Networks経由でサービスを提供し、ライブもしくは録画されたテレビ番組、写真、楽曲、および映画をインターネットに接続されたデバイスにストリーム配信するようデザインされている。同スイートには、録画されたテレビ番組を圧縮し、より多くの番組をPCに保存できるようにするツールも含まれている。さらには、Live Media Vault経由での25Gバイトの無償ストレージや、ホームネットワークの設定管理サービスも提供される。
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