オンライン広告業界を調査対象とする市場調査会社のeMarketerは、2010年までにオンラインビデオ広告に使われる広告費用は少なくとも15億ドルに達するだろうと予測している。
しかし、だれもがビデオ広告に飛びつこうとしているわけではない。市場調査会社Gartnerのアナリスト、Allen Weiner氏は、大手の広告主にはビデオ広告を制作する予算があるだろうが、その他の企業ではそういうわけにはいかないと述べる。Googleの広告主の多くは、そうした比較的規模の小さい企業だ。
加えて、「テレビの30秒コマーシャルをそのままウェブに持ってくれば済む話ではないだろう」とWeiner氏は指摘する。
さらには、広告を見た人は本当にクリックする気になるのかという、これまでもしばしば議論されてきた問題がある。
ブロガーのMichael Arrington氏は「Googleのペイパービュー・ビデオ広告--成功しないと考える理由」(Google PPC Video Ads - Why I'm Betting Against It)と題したブログ投稿の中で、このサービスが失敗すると考える根拠をいくつか挙げ、その1つとして消費者の無関心を指摘している。
「何よりまず、Googleには自分たちが作ったものを採用する必要がある。今のところ、Googleはビデオ広告を(自社の)サイトには掲載するつもりはないようだ。なぜだろう?おそらくサービス開始前に行ったテストで、テキスト広告に比べてはるかに押しつけがましいビデオ広告は、クリックされにくいことが明らかになったのだろう」と、Arrington氏はブログに記している。
では、Googleのビデオ広告と他社サービスの違いはどこにあるのだろう?
これについてGoogleのRajaram氏は、ユーザーがページを開いたら自動的に再生される多くのビデオ広告と違い、Googleのビデオ広告はユーザーがクリックするまで再生されないと説明する。広告の早送りや一時停止、音量の調整、クリックによる広告元サイトへの移動といった操作も可能だ。
また、Googleでは同社のビデオ広告が、既存のサービスに比べて安価になるのではないかとみている。自動入札システムが採用されたGoogleのオンライン広告では、広告主は埋め込まれたリンクのクリック数に応じて広告料を払うCPCと、インプレッション1000回について単価を設定するCPMという、2つの料金体系のいずれかを選んで価格を入札できる。CPMの場合、単価は5ドルから数10ドルとなる見込みで、100ドルに達することもある現行のオンラインビデオ広告よりも安くなるとRajaram氏は話す。
広告主は広告を掲載するサイトを指定できるほか、キーワードや内容との関連性、ユーザーの特性や地域などに応じて広告の表示先を絞り込むことも可能だ。Rajaram氏によれば、広告を表示しているサイトの運営者は、ビデオ広告の掲載をいっさい拒否することもできるが、これまでのところそうした申し出はないという。
また、広告主に対してはビデオ広告を再生した人数と平均視聴時間を報告する予定だと、Rajaram氏は述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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