MySpace.comはこのところ、10代の若者が結果を深く考えずに個人情報をネット上で公開している現状を報じた批判記事の中で、繰り返しやり玉にあげられている。
「Predator's Playground?」と題された1月の「Newsweek」誌の記事でも、先月「Dateline NBC」で放送されたレポートでも、現在Rupert Murdoch氏率いるNews Corporationの傘下にあり、8000万人のユーザー数を誇るソーシャルネットワーキングサイト(SNS)のMySpaceは、「利用している子供たちが思っているほど」安全ではないと警告している。
MySpace.comに限らず、LiveJournal.comやFacebookといったネットワーキングサイトは今、新たな脅威に直面している。ほぼすべての学校や図書館に対して、未成年者がこうしたサイトに事実上アクセスできないようにする措置を講じるよう義務づける内容の法案が、連邦議会に提出されているのだ。こうしたサイトのもっとも熱心な利用者は、この年齢層に含まれている。
米下院議員のMike Fitzpatrick氏(ペンシルバニア州選出、共和党)は、CNET Newsのインタビューに答えて、「子供たちは、自宅を出て学校や公立図書館へ行き、ソーシャルネットワーキングサイトにアクセスしている。心配になるのも当然だ」と語った。
Fitzpatrick氏と、Dennis Hastert下院議長も含め、同じ共和党に所属する下院議員たちは、米国時間5月10日、ユーザー自身の情報を「ウェブページやプロフィール」に公開でき、同時にフォーラムやチャットルーム、電子メールのサービスも提供されている商用ウェブサイトについて、アクセスを完全に遮断できるようにする法案(PDF)を提出した。
この法案の適用範囲はかなり広く、影響を受けるのはFriendsterやGoogle社のOrkut.comといったSNSにとどまらない。Blogger.comのような双方向型のウェブサイト、AOLやYahoo!のインスタントメッセージ機能、ゲーム内でのチャットを可能にしているMicrosoftの「Xbox 360」など幅広いサービスや製品が規制対象になる可能性もある。
Fitzpatrick氏らが提出した「Deleting Online Predators Act」は、都市近郊に住む有権者にとって重要と思われる問題を積極的に解決していこうという、共和党議員による新たな世論主導型の取り組みの一環だ。共和党の世論調査を任されているJohn McLaughlin氏は都市郊外の22地域で調査を行い、2006年に入って、ある別荘で結果を報告した。イリノイ州選出の共和党の下院議員Mark Kirk氏もこの法案の共同提出者になっている。
「Suburban Caucus」と名乗る議員グループは10日、記者会見を開き、新しい法案をめぐって保守派の支持者が再集結し、11月に行われる中間選挙で民主党に下院の支配権を奪われないようにしたい、と語った。
一方、MySpace側もここ数週間、保護者や政治家の懸念を払拭するための方策を講じてきている(マサチューセッツ州の検事総長Tom Reilly氏も今週、MySpaceに狙いを定めた)。MySpaceは、全従業員の約3分の1にあたる100人をセキュリティおよびカスタマーケア要員としたほか、先月、元米司法省検事のHemanshu (Hemu) Nigam氏を最高セキュリティ責任者(CSO)として採用している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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