ワシントン州レドモンド発--Microsoftの最高経営責任者(CEO)Steve Ballmer氏は米国時間5月4日、インターネットサービス事業を強化するために、Microsoftがどれくらいの追加投資を行う計画なのかについて、詳細を説明した。
Ballmer氏は、先ごろのMicrosoftの株価下落は、同社が投資計画を明確にしなかったために起きたことであると認めた。その上で、MSN事業部では、次期会計年度の研究開発費用を11億ドルへ引き上げる計画であることを明らかにした。MSN事業部の研究開発費用は、今年度は7億ドルになる予定で、前年度は5億ドルだった。同事業部ではさらに、2005年度は1億ドル、2006年度は3億ドルの予定となっている資本支出額も2007年度には5億ドルに増やす計画だという。
Ballmer氏は、「社内のR&D部門には、software-as-a-service(ソフトウェアをサービスとして提供する)事業が最優先事項であることを伝えてある」と語った。同氏は、他の分野におけるソフトウェア開発の研究開発にも大幅な予算を充てることや、他のネット企業に引けを取らないくらいの投資をしていくことも約束した。
「われわれに遅れを取らないようにするために、必要なインフラを用意できるのはわずか2〜3社程度だろう」(Ballmer氏)
同氏によると、これらの計画は一部を驚かせたという。「株価はその一部の驚きを表している」(Ballmer氏)
Ballmer氏は講演のなかで、adCenterエンジンのデモも披露した。同社では現在、米国における検索広告の100%でこれを採用している。Microsoftはつい先ごろまでYahooの有料検索技術に依存してきており、多くの海外市場では今も同社のエンジンを採用している。
Wall Street Journal紙の報道によると、MicrosoftのなかにはYahooと提携して一緒にGoogleに対抗しようという意見もあるという。Ballmer氏は、Yahooとは長年にわたり協力関係も競争関係もあったと指摘するにとどまり、この推測について詳細なコメントを控えた。
Microsoftの広告戦略を統括するシニアバイスプレジデントYusuf Mehdi氏は、コンテンツ連動型広告と有料検索の両方に対応した未来のadCenterも披露した。Mehdi氏によると、Microsoftではコンテンツ連動型広告エンジンの限定テストを今夏にも開始する計画だという。
Mehdi氏はさらに、Microsoft Researchによる2つのプロジェクトも披露した。Microsoft Researchでは、50人以上の研究者が新しい広告技術を開発している。その1つは、ウェブサイトのコンテキストなどからユーザーの統計データを予測するもので、もう1つは、ユーザーが早送りでコマーシャルを飛ばしてしまうことの対策として、コマーシャルが早送りされている最中に5秒のミニコマーシャルを表示させるというもの。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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