サンの政権交代--大幅な路線変更は望み薄 - (page 2)

文:Stephen Shankland(CNET News.com) 翻訳校正:坂和敏(編集部)2006年04月27日 23時37分

 既存路線を踏襲か

 どの程度大きな変化が必要かは、Sunの中・短期的な業績の善し悪しに影響を受けそうだ。

 McNealy氏は、Sunの復活に向けた土台はすでに固まっていると主張している。同氏は24日に行われたインタビューのなかで、「あとは、これらの戦略に微調整を加え、それにJonathanが持ち込むであろう強力な執行能力と創造性をあわせるだけだ」と語った。

 Schwartz氏は、戦略は変わらなくても戦術が変わる可能性があることを示唆した。「10年前も現在も、『ネットワークがコンピュータ』というテーマは変わらないかもしれない。だが、ロードマップがまったく別の問題であるのは明らかだ」(Schwartz氏)

 McNealy氏はCEO辞任にあたり、SunのUltraSparc T1「Niagara」ベースサーバ、x86サーバの「Galaxy」シリーズ、そしてUltraSparc IV+プロセッサを採用した従来型サーバの発売を見届けたかった、と明かした。同氏はまた、Solaris 10のオープンソース化や、「Microsoftとの関係が順調に機能していること」も確認したかったという。

 それを成し遂げた上で、McNealy氏は、良い形で同社の6月末会計年度決算を迎え、Schwartz氏がその成果を享受できるようにしたいと考えていた。「唯一の責任ある行動は、後任者がすべての功績と栄光を手にするようにするということだ」(McNealy氏)

 しかし、McNealy氏がここ数四半期にわたって続けてきた強気の予測は当たらなかったと、Kariithi氏は言う。「彼らは自分たちのビジネスモデルに関していつまでも楽観的だった。あまりに楽観的過ぎた。彼らはいつも次の四半期には逆転できると考えていた」(Kariithi氏)

 ただし、Sunの進めるサーバ関連の新しい取り組みには多少期待が持てる。

 Schwartz氏によると、同社のx86サーバビジネスは現在、四半期あたり約1億ドルの売り上げをもたらしているという。同社のx86サーバの出荷台数は昨年比81%増の約2万4000台となり、総出荷台数の4分の1以上を占めている。

 また、UltraSparc T1マシンを無償で60日間試用できる「お試し購入」プログラムでは、50%以上の参加者が最終的にシステムを購入している。Sunは先週、この「お試し購入」プログラムをGalaxyサーバにも拡大しており、Schwartz氏は、「Sunの全製品にこのプログラムを拡大する」として、さらなる拡大を示唆している。

 IBMのシステム技術グループのトップであるBill Zeitler氏など、Sunにとって最大のライバルのなかにも、同社の最近の動きを称賛する声がある。

 Zeitler氏は25日、「Solarisのオープンソース化の動きはうまくいっていると思う。またSparcチップの採用を減らし、Opteron(AMDのx86サーバチップ)に切り替えを進め、投資を抑えるという動きは、戦略的に懸命な措置だ。自分が同じ立場だったら、まさにそうしていたことだろう」と語っている。

 直近では2億900万ドルの赤字ながら、営業収入による1億9700万ドルのキャッシュフローがあるなど、財務的にも明るい見通しはいくつかあった。CFO(最高財務責任者)のMike Lehman氏によると、米国での売上高は35%増で、StorageTekやSeeBeyondの買収による売上高を除いても売上高は12%増加したという。「(買収で獲得したビジネスの分を除く)四半期ベースの売り上げが前年を上回ったのはおよそ2年ぶりだ。今後もこれが続くと信じている」(Lehman氏)

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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