Sun Microsystemsは、苦しい財務状態に3年間耐え抜いた後で、いまようやく再起の途についたところだ。そのSunが、新たな収益の増加とコストの削減を計画していると、同社最高経営責任者(CEO)のScott McNealyや他の経営幹部が米国時間11日に明らかにした。
「我々は収益増を通じて、この会社を立て直す」。サンフランシスコで開催されたSunのアナリスト向け会議で、McNealyは聴衆を前にこう語った。具体的には、ストレージ機器やソフトウェアをサーバと抱き合わせで売る、ライバルのHewlett-Packard(HP)から顧客を引き抜く、新しいサーバ市場に進出する、そして顧客の支払いが毎年見込めるような収益を増やすことなどを通じて、増収を狙うという。
Sunはまた、コスト削減も計画している。最高財務責任者(CFO)のSteve McGowanは、順調に行けば、6月30日で終わる2004年会計年度に営業経費を2億5000万ドル削減できると語った。さらに、2005年度も少なくとも同額のコスト削減を計画しているという。
McNealyによると、収益増加の鍵を握るのは、「アタッチレート」の向上、つまり同社の中核をなすサーバ製品で、サーバ、ストレージ、サービスをひとまとめにして販売する割合を高めることだという。
Sunの営業グループを率いるRobert Youngjohnsは、現在のアタッチレートは、ストレージが27%でソフトウェアは50%だと説明した。
アタッチレートを上げる方法の1つは、特定の用途に向けてサーバ、ソフトウェア、その他の機器を組み合わせ、この販売に 力を入れることだ。Sunはこうしたリファレンスアーキテクチャの販売にますます力を入れており、10日に開催された四半期に一度の製品発表会では、新たに5つのアーキテクチャを発表している。この中には、Microsoft Exchangeの代替となるスケジュールおよび電子メールサーバ用のアーキテクチャや、顧客の購買パターンに関する情報を保存・分析するデータウェアハウス用のものがある。
「どうしてアタッチレートが90%とか100%でないのか、理由が分からない。自動車業界におけるエンジンのアタッチレートは100%だ。つまり、そこには大きな収益の機会がある」(McNealy)
McNealyはお得意の自動車業界の喩えを使って、経常収益の増加というSunのもう1つの売上増加策を説明した。McNerlyは、「自動車業界には、"経常収益"という考え方がない」と述べ、一度クルマを販売してしまうとそれきりで、その後に生じるガソリンやラジオなどからの収益を得ていないと指摘した。
「Sunは、自動車業界に起こったような機会損失を避けるつもりだ。今後数カ月間で"経常収益"という言葉を繰り返し耳にすることだろう」とMcNealyは述べ、同社はハードウェア、ソフトウェア、リモート管理などのサービスを定期契約性で販売していくことを明らかにした。
CFOのMcGowanによると、現在のSunの売上のうち、経常収益は3分の1を占めるが、同社はこの割合を3分の2まで引き上げたいと考えていると語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス