「ネットの中立性は見送り」の通信法改正法案、米上院に提出へ

文:Anne Broache(CNET News.com) 翻訳校正:河部恭紀(編集部)2006年04月26日 17時37分
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 ワシントン発--間もなく米上院に提出される法案によると、インターネットへの接続環境が整備されていない地方向けのブロードバンドサービスへの助成を目的とした税金が新設されることになりそうだ。また米国の各都市が、Wi-Fi事業を自由に運営できるようになる可能性が出てきた。

 Gordon Smith上院議員(共和党、オレゴン州選出)は、Broadband for America Act of 2006と呼ばれる法案を今週中に提出する予定だ。これは、Smith議員自身が米国時間4月25日の朝、地方の小規模通信事業者の業界団体National Telecommunications Cooperative Association(NTCA)主催の会議で明らかにしたものだ。

 しかし、同法案は、ネットの中立性に関する記述があからさまに除外されている。ネットの中立性とは、一部のウェブサイトやビデオストリーミングの接続速度を優遇させないよう、連邦政府がブロードバンドプロバイダーに強制力を行使するという考え方だ。下院の電気通信改革法案についても、このネットの中立性をめぐり大きな論争が起こっていた。下院エネルギーおよび商業対策委員会(HECC)は25日夕方、同委員会が独自に策定した法案を再検討し、今週中に採決を行う予定だ。

 CNET News.comが入手した全41ページに渡る同法案のコピーから、同法案は基本的に、Smith議員と上院商務委員会の同僚議員らがこれまでに提出した法案を組み合わせたものであることが分かった。同委員会の委員長を務めるTed Stevens上院議員(共和党、アラスカ州選出)も、Smith氏が「さらに包括的な法案」と語る法案を準備してきた。Stevens氏の法案も1996年電気通信法(Telecommunications Act of 1996)の見直しを目的としている。同法は、インターネットの巨大な新しい影響力が考慮されておらず時代遅れとの批判を受けてきた。

 Smith氏によると、同氏の法案は決してStevens氏の法案に対抗する目的で作成されたものではないという。しかし、Smith氏は、自分の法案がStevens氏の法案に比べてコンパクトであることから、より早く委員会を通過し、上院の審議に移されることを期待している。そしてそれこそが、同氏が法案をコンパクトにまとめた「狙い」でもある。「(法案の規模が)大きくなればなるほど、より包括的になり、泥沼にはまる可能性が高まる」(Smith氏)

 ネットワーク事業者らは、映像配信などの高度なブロードバンドサービスの提供を考えており、その取り組みへの投資資金を捻出するため、大量の帯域幅を消費するコンテンツのプロバイダーから、より高速なデータ転送などの優遇措置について追加料金を徴収することは認められるべきだと主張してきた。これに対し、ネットの中立性の支持者らは、仮にネットワーク事業者にそのような行為を許せば、彼らはインターネット市場の「門番」という前例のない役割を担い、(ライバル企業を市場から締め出すことにより)消費者コストの上昇や技術革新の阻害といった問題を生じさせる恐れがあると指摘している。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ

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