Google、Microsoft、Yahooをはじめとするネット関連企業が、ブロードバンド回線事業者のネットワーク整備を厳しく規制しない法案に異議を申し立てている。
各社は、連邦議会に宛てた米国時間3月28日付けの書簡のなかで下院エネルギー・商業委員会の委員長を務めるJoe Barton下院議員(テキサス州選出、共和党)に対し、同議員が提出した通信法改正案では「インターネットを保護できない」と述べた。
Barton下院議員は、インターネット企業各社の要望に応えず、通信事業者で構成される、ワシントンの最有力ロビー団体の1つを支持した。この団体には、政治への献金も多いDSL業者やケーブルプロバイダーも所属している。
米CNET News.comが今週報じた記事によると、通信事業者らは、インターネット業界の3倍以上の資金をワ シントンに流しているという。
AT&T、Comcast、Time Warner、Verizon Communicationsの各社は、1998年から現在までの間に2億3090万ドルの政治献金を行っている。一方で、 Google、Microsoft、Yahoo、Amazon.com、eBayの合計額はわずか7120万ドルだった(この金額にはロビー活動経費、政治家個人への献金、政治活動委員会用の資金、党への献金が含まれる)。
「ネットワークの中立性」の下では、ブロードバンドパイプを所有する企業は、特定の企業や個人を特別扱いするような方法でネットワークを構築できない。例えば、ブロードバンドパイプ所有企業が、自社サービスを他社のサービスよりも高速で送信したり、ネット上でコンテンツやアプリケーションを提供する企業に同様の高速配信を提供する際に料金を課すなどの行為は許されない。
これまで、Google、Microsoft、Yahoo、eBay、Amazon.com、Skypeのハイテク企業各社および一部の権利擁護団体が、ネットの中立性を要求する厳格な法律を制定するよう議会に圧力をかけてきた。またそれらの企業や団体は、Communications Opportunity, Promotion and Enhancement Actと呼ばれるBarton議員の法案で、ネットの中立性の遵守が義務付けられることを希望していた。しかしBarton議員の法案は、完全にではないにしても、ややブロードバンドプロバイダーよりの内容となっていたことから、今回のネット関連企業による書簡提出につながった。
「この法案は、インターネットのパラダイムを根本的に変え、ネットを利用する多数の米国民の期待を裏切るものだ」とBarton議員に提出された書簡には書かれている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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