米議会委員会での電気通信政策の見直しに関する採決を控えて、メディア、消費者、インターネットといったさまざまな分野の組織や団体が、「Save the Internet(インターネットを守れ)」という劇的なスローガンの下に連合を結成した。
保守団体のGun Owners of America(GOA)から自由主義団体のMoveon.org、さらに米国図書館協会(ALA)に至る多様な数十の組織が、「Save the Internet」というスローガンを掲げたウェブサイトを開設した。米国時間4月24日に行われた記者会見は、この新たに結成されたグループの支持者らにより、時折、決起集会のような様相を呈した。
「今、Internetの自由のための戦いが本格的に行われている」と語るのは、メディア改革組織Free Pressのキャンペーン担当ディレクター、Tim Karr氏だ。Free Pressは大手メディア企業に反対し、今回の連合を組織した。同氏はさらに次のように続けた。「(戦っている)一方の側は一般市民、もう一方は米国最大手の電話会社やケーブル会社だ。これらの企業は一部の議会議員らと結託してインターネットを合衆国憲法修正第1条の対象から外そうとしている」
問題となっているのはネットの中立性(またはネットワークの中立性)と呼ばれる概念だ。ネットの中立性とは、ブロードバンドプロバイダーが、ストリーミングビデオや自社に好都合なコンテンツなど、特定のウェブトラフィックを優遇することを禁じる考え方で、Google、Microsoft、Amazon.comといったインターネットコンテンツプロバイダーが支持している。
一方の大手電話会社やケーブル会社らは、そのような原則の立法化は必要ないと反論してきた。彼らは、(競合企業の)サイトやサービスを遮断することには全く関心はないが、大量の帯域幅を消費するサービスや新しい技術への投資を回収し、採算性を維持できるよう、そのような「高速回線」の追加利用料を請求する権利は与えられてしかるべきだと主張する。ブロードバンドプロバイダー各社はこれまでに、米国の一般家庭や企業に光ファイバやブロードバンドを使ったより高速のインターネット接続を提供するために数十億ドル規模の投資を行ってきた。
Save the Internet連合によると、今週、米下院エネルギーおよび商業対策委員会(HECC)で、委員会全体での採決が予定されている電気通信改革法案の最新版は、ネットの中立性に関する規定を保証するには至っていないという。
議会が春休みに入る直前に行われた同法案の最初の採決では、4人の民主党議員が、「(全てのコンテンツプロバイダーは)ブロードバンドプロバイダーが自社や関連企業に与えるのと同等かそれ以上の帯域幅を追加料金なしに与えられなくてはならない」という内容の修正文言を法案に盛り込もうとしたが、失敗に終わった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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