カリフォルニア州サンノゼ発--Qwest Communicationsの最高経営責任者(CEO)Richard Notebaert氏は、インターネットサービスにおける「競争上の優位性」を一部の企業に適切な価格で与えることは極めて公正なことだと発言した。
Notebaert氏は米国時間3月15日、San Jose Convention Centerで開催中のSpring 2006 VON Conference & Expoで講演し、自社ネットワーク上を流れるトラフィックをブロックすることには反対だとも語った。しかし同氏は、GoogleやAmazonから他社より高い利用料を徴収してプレミアムサービスを提供する選択肢がネットワーク事業者にあっても良いのではとの考えを、初めて公の場で明らかにした。
「自社ネットワーク上では、どのようなトラフィックであれブロックすべきではないと思うし、そのようなことはしない。ネットの中立性とは本来、トラフィックに対する障害が一切あってはならないことを意味する。そこには、サービスの強化に向けて企業同士が契約を結んではならない、という意味はない」(Notebaert氏)
IT業界では、通信事業者が二重構造のインターネットシステムを開発し、コンテンツ企業向けの料金を引き上げる意向だとの憶測が激論を呼んでいる。議論では、Google、Yahoo、Amazonなどの企業と、大手電話会社やCisco Systemsなどの機器メーカーが対立している。この問題は議会にも飛び火し、いわゆるインターネットの中立性(あるいはネットワークの中立性)を維持し、多層システムの台頭を防ぐ法案作りに乗り出す政治家もいる。
AT&Tの最高経営責任者(CEO)Ed Whitacreは、GoogleにAT&Tのネットワークを無償で使わせるようなことはしたくないと語っている。だが、Notebaert氏はWhitacre氏とは異なり、もっと気の利いたアプローチをとっている。同氏は、GoogleやAmazonなどのコンテンツプロバイダーを顧客として考えている。そして、それぞれの顧客に対してより優れたサービスを提供できるよう、これらの企業と協力したい考えを持っている。
同氏は、通信事業者がコンテンツオーナーに対してできることの一例として、L.L. Beanなどの企業がFederal ExpressやUPSに対して行っていることに言及した。衣料品やアウトドア商品を販売するL.L. Beanは、これらの企業に料金を支払うことにより、ホリデーシーズン中の出荷手数料を無料にしている。ライバルに対して優位に立てるよう、ネット企業とネットワークプロバイダーも同様の契約を結んで良いのではないかというのが、同氏の考えである。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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