IT企業や学会の関係者、コンピュータプログラマなどが数年前から連携し、連邦議会にDigital Millennium Copyright Act(DMCA:デジタルミレニアム著作権法)の縮小を嘆願してきた。
ところが今、連邦議会はその正反対の動きを進めようとしている。CNET News.comが入手した著作権法案は、コピー対策を回避するためのソフトウェアに対するDMCAの制限を拡大し、FBIに盗聴や捜査権限の拡大を認めるものになるようだ。
Bush政権が作成し、Lamar Smith下院議員が後押しするこの法案は、すでにRIAA(全米レコード協会)など、大規模な著作権保有者からの支持を集めている。Smith議員は、米下院の知的財産法を管理する小委員会で委員長を務めている人物だ。
Smith議員の報道担当官Terry Shawn氏は米国時間21日、「Intellectual Property Protection Act of 2006(2006年版知的財産保護法)」が「近い将来導入される」見通しであることを明らかにした。
ワシントンDCにあるSoftware and Information Industry Association(SIIA)のKeith Kupferschmid氏(知的財産および執行担当バイスプレジデント)は、「この法案は全体として良い点が多い。(司法省が)著作権関連の犯罪に対して、現時点では無理な対応までとれるようになる」と語っている。
Alberto Gonzales司法長官は11月に行った演説のなかで、この法案に対する支持を表明し、自ら連邦議会にこの法案を提出すると語った。Gonzales司法長官は、新技術によって「知的財産の侵害に対する大規模な犯罪組織の関与が増えて」おり、違法なビジネスから得られた資金が「テロ活動に使われている」として、このような変更の必要性を説いた。
24ページにわたるこの法案の内容は、さまざまな法案を集めて継ぎ接ぎしたものとなっている。たとえばその1つでは、著作権侵害未遂までが連邦犯罪の対象となっている。このような、故意による著作権侵害未遂行為には、たとえ実行が失敗に終わったとしても、最大10年の懲役刑が言い渡される可能性がある。
さらに、この法案が成立すれば、著作権法の拡大に反対する政治家にとっても痛手となる。彼らは、「公正使用」の目的でコピー防止対策の回避を認める逆方向の立場にある連邦法を支持してきた。Rick Boucher下院議員(バージニア州選出、民主党)が2002年に提出したこの法案は、小委員会で保留されたままとなっている。
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