Googleの新しいビデオ検索ツールは、同社が予定したより幅広く活用されているようだ。同社のビデオアーカイブには、最新映画の「マトリックス」からアニメの「Family Guy」まで、著作権で保護されたコンテンツがユーザーの手で次々にアップロードされている。
このサービスはわずか2日前に開始されたばかりだが、これを見ていた複数のユーザーがノーカットの長編映画やテレビ番組など各種のコンテンツへのリンクを発見した。米国時間6月30日午前の時点で、これらのコンテンツの多くがまるごと観られる状態にある。
Googleのサービス利用規約には、ビデオの配信権を保有する者のみがコンテンツをアップロードでき、また著作権保有者の明白な承諾がない限り著作権で保護されたコンテンツはアップロードを禁止する、と明記されている。しかし同社は、あまりにひどい「アダルトコンテンツや明らかに著作権の侵害にあたる作品」は事前に審査して、排除するとも書かれている。
「われわれは、著作権に関する不安や苦情がある場合、DMCAのコンテンツ削除依頼書を送ることを勧めている。ただし、われわれがGoogle Videoにあるコンテンツを削除するのは、明確な著作権違反が認められる場合に限られる」(同社の声明)
Googleの広報担当によると、同社は現在、著作権を侵害しているコンテンツの削除を進めているところだという。
米最高裁は今週、ネットでの不正な映画配信に対して、映画会社側が法的な取り締まりを大幅に強化できる内容の判決を下したが、そのわずか数日後におこった今回の事件は、Googleがこの新サービスで直面する危険を浮き彫りにしている。
Googleの新しいビデオ検索は、ウェブ上に既にあるコンテンツを検索するだけでなく、資金不足から自分でビデオを公開できない製作者の作品もホストできるようになっている。
これまでは、ユーザーが自分のコンテンツを公開できるようにしているウェブポータルやISPが、著作権保有者からの通知があった時点で問題の作品を削除すれば、著作権侵害に対する賠償責任を問われなかった。しかし、映画会社やレコード会社は、検索エンジンやピアツーピアネットワークなどの技術が進化し、このような規定の下でも、著作権で保護された作品がますます提供しやすくなっていることに不満を抱いていた。
Googleの検索ツールにアップロードされたコンテンツの大半は、数週間前から同社のシステム上にあった。同社のウェブページには、「MATRIX REVOLUTIONS」は6月9日に、「Family Guy」は6月7日にアップロードされたと書かれている。
「MATRIX」のリンクは6月30日午前の時点でまだ残っているが、「The Simpsons」の各エピソードの「再生」ボタンは削除されていた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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