多くのショップが少額から広告をだせるとあって、利用しやすい検索連動型広告。グーグルに掲載できる「Google Adwords」と、ヤフーに掲載できる「オーバーチュア」の利用で、市場シェアの大半を占める。
広告主にとっては、検索ユーザーという、まさに商品を欲しているユーザーにピンポイントでテキスト広告をうつことができるほか、クリック課金というシンプルな料金体系も利用を後押しする。最近では、こうした検索連動型広告と連携する店舗支援ツールも登場し始めている。
検索連動型広告を牽引するグーグル・佐藤康夫 執行役・営業本部長に、改めて「Google Adwords」の現状を聞いてみた。
Q:市場では検索連動型広告が非常に好調だと聞いています。2005年度の日本での「Adwords」はいかがでしたか?
A:数字についてはお答えできませんが、好調です。05年の検索連動型広告の市場は、電通総研さんの試算では600億円、アウンコンサルティングさんでも600億くらいかな、両方とも昨年より2倍という数字はでていますよね。
Q:広告業界では、年間を通して見ると、月によって売り上げのばらつきがあるのが普通です。ネットの世界の「Adwords」でも、そうした季節的要因で売り上げ額の変動が起きたりするのですか? 例えば、広告が売れない月があるなど。
A:マーケットが伸びているのでなんともいえませんが、今のところそういった傾向はあまりないですね。4媒体の広告の世界は、成長の伸びが一定してきたのでそうした分析もしやすいと思うのですが、ネット広告の場合は急激に伸びているといった感じで、とくに季節的な変動は感じていません。ネットの場合はすぐに広告をスタートできますし、一年中なにかしら売りたいモノがある。そういう意味でいうと、広告主が幅広いともいえるでしょう。まぁ、12月はボーナス、お歳暮商戦で多少増えたり、4月は人材、引っ越しなどの業種が減ったり、といったことはあるとは思います。
Q:「Adwords」は、現在テキストと画像形式の2つですね。ただ、ほとんどがテキスト形式で、画像形式で利用されているというケースをあまり見かけないような気がします。画像広告の出稿もなされているのですよね?
A:ありますよ。「Google」サイトでの検索結果がテキスト広告だけなのでなかなかわからないと思います。画像広告は、個人や企業のコンテンツページだけが対象です。まだそんなに一般的でないことは確かですが、やっぱり画像をだしたほうがいい、逆に画像をださないと意味が通じないというような内容のものがあるわけです。映画などのエンターテイメント系の広告、ホテル、旅行などがそうでしょうか。
Q:画像広告の出稿が少ないことに対して、危機感を感じたり、対策などを行ったりしているのですか?
A:われわれとしては、広告主からリクエストがあって、ニーズに応える形で開始しました。「画像を出したい方々は出せますよ」ということで、私たちのほうから「ここまでやる」ということはないですね。まだまだこれからです。
Q:予算のある広告主は「Adwords」のテキスト広告で満足しているのですか。最近では、動画広告やポッドキャスティング広告も登場してきて人気を得ているように見えますが。
A:「予算のあるお客様」といっても定義が難しい。例えば、ネット広告の大手クライアントは「Adwords」に非常に満足しています。一方、テレビなどにも広告を出す資金がある会社は、イメージ訴求もあわせて取り組んでいます。最近はだいぶ検索連動広告にも力を入れるようになってきました。
「Adwords」という広告商品は、投資効果を最大限に発揮する、というところが真骨頂でして、広告目的にもよります。例えばトヨタが新車をだしたとして、その広告費をすべて「Adwords」につぎ込みはしないでしょう。やはり物足りない。一方で、通販でいう大手クライアントともなれば、逆に「Adwords」に出せるだけ出す、といったケースもあります。
このように二極化が進んでいるようにも見えますが、最近では「クロスメディア」という考え方も浸透してきていて、いわゆる4媒体と「Adwords」をうまく組み合わせているようです。テレビコマーシャルにしても、最後に検索画面をだす景色が増えました。視聴者は、テレビ見ながらネットで探すといったスタイルをとることも珍しくありませんし、ちょっと深く知りたいとなるとインターネットで調べる。昔だったらやっぱりコンタクトポイントは店舗でした。
そのインターネットでも、URLで探していたのが、今や8割以上が検索から情報を探すようになっています。「だったら検索で探してください」、そういう利用提案がテレビコマーシャルでも行われてきています。
Q:「Adwords」でも新たに動画広告などを用意することはないのですか?
A:当社では、「なにをやって、なにをやらないか」ということは基本的にはありませんから、利用者にとっていいものであればやる、ということになります。ニーズを吸い上げながら、リクエストがあれば「じゃぁ、やってみようか」という形です。
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