グーグル 佐藤執行役・営業本部長に聞く「Google Adwords」のお話 - (page 2)

■「出したかったキーワードに晴れて広告を打てる」

Q:2005年に「Adwords」の掲載基準が変わったと聞いています。どう変わったのですか?

A:05年8月あたりに、広告オークションの仕組みをワールドワイドで全面的に変えました。もっとも大きな変更は、「最低価格は取っ払います」ということです。とはいえ、価格はありますから1円からやりますということになります。

 それ以前は、最低価格がすべて7円以上でした。どのキーワードでも7円から買えた。かつ、クリックレートが悪い広告の場合は、広告主と掲載者双方にとっても嬉しくないので出ないケースもあった。双方のバランスをとっていたわけです。その結果、広告主が出せないキーワードがありました。

 今の制度では、それまで出せなかった広告も、広告主が高い金額を出せば出すことができます。広告主にしてみればやったと。「これで出したかったキーワードに晴れて広告を打てる」状態になったわけです。ただし、単価が高くなったので、そういったところで少し試行錯誤がある。双方の接点を調整する必要があるわけです。また、入札金額の変更だけでなく、広告内容の善し悪しも新制度では勘案されるようになりました。

■「Google Analytics」、そういったものを普通に提供していく

Q:サイト解析サービス「Google Analytics」に対する「Adwords」利用者の反応はどうですか。

A:「Adwords」利用者は「Google Analytics」も利用できるので、多くの方が利用しています。開始当初は「Adwords」利用以外の一般ユーザーからも申し込みを受け付けましたが、予想以上の反響で、Googleでもサーバーの対応が追いついていない状況です(現在の利用は予約制)。

 「Analytics」は無料というのが大きなポイントで、同じく無料の衛星画像などを表示できるソフト「Google Earth」にしろ、基本的に無料で提供しています。これは、“いい情報をいっぱい提供するには、いいサイトがいっぱいないと駄目”とう発想から来ていて、そういうところから出発すると、広告(Adwords)システムと解析サービスを一緒に使えば、どの時間にどれくらいアクセスがあって、といったことまでわかり、より効果的に効果測定が行えるようになります。そういったものを普通に提供していくということです。

Q:多機能すぎて使いこなせないという声も聞きます。これまでのグーグル製品やサービスというと、基本的に“シンプル”なイメージがあるですが、この「Google Analytics」はそうしたイメージとはまた違っていますね。例えば、「単機能のGoogle Analytics」と、今回のような「多機能版のGoogle Analytics」といった、複数での提供の仕方もあったのではないですか?

A:確かに、まだ使いこなせていないという声もあります。それは今後の課題です。ただ、機能面では増やして欲しいといった声はあっても、減らして欲しいというニーズはあまりない。使っていると、次第にあれも知りたい、これも知りたい、ということが多いですから。また、「Google Analytics」より、もっとハイエンドな解析サービスもあります。

■広告のモデルは、どれくらいワークしているか

Q:では、最後に今後の取り組みについて教えてください。最近では、ブログでのコンテンツマッチ広告というと、RSS広告社など他の企業もこの分野に参入していますし、海外ではマイクロソフトがこうした広告システムを開発、熱心に取り組んでいると聞いています。

A:広告のモデルは、どれくらいワークしているかが重要です。「利用者に受け入れられる」ということであれば、そうしたところにも広げていく。ポッドキャスティングだ、RSSだというよりは、なぜその媒体でワークしているのかということのほうが大切なわけです。

 例えば米国のGoogleでは、従来媒体であるオフラインの雑誌にも広告を出す取り組みがトライ&エラーで行われています。「Adwords」によって、ネットだけでなく新聞・雑誌、ラジオにも広告を出せるような活動です。ただし無理をしてもうまくいかない。米国が成功すれば日本でも考えてみましょう、といった感じでしょう。アグレッシブに見えて、Googleは意外と慎重なんですよ。

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