ミネソタ州地方裁判所は、検索サイトから競合他社の商標を検索キーワードとして購入した企業を訴えた訴訟について、法廷で審理することを決定した。これは、キーワードの購入者に商標権侵害の責任を問うべきかどうかを調べる初めての審理になると思われる。
不動産会社のEdina Realtyは、不正な広告活動を行い、商標権を侵害し、商標の希釈化を行ったとして、競合する不動産会社TheMLSonline.com(MLS)を提訴した。訴えによると、MLSはGoogleとYahooから購入した「Edina Realty」というキーワードを自社の広告のテキストに使って両検索サイトの検索結果として表示されるようにしたほか、また、MLSのウェブサイト上に隠しリンク、および隠しテキストとしてこの語を使ったという。
「この訴訟は、競合他社の商標をキーワードとして購入することが商標権の侵害にあたる可能性があることを、(米国で)初めて明確に示す事例だ」と、マーケット大学法学部のEric Goldman助教授は、米国時間3月29日に自身のブログに書いている。
ミネソタ州地方裁判所が3月の第4週に示した判断は、このケースでは実際に商標の希釈化があったという証拠はないが、商標の使用が消費者の混乱を招いているかどうかという重要な事実をめぐって意見の相違があることから、審理を行うというものだ。
「この決定は、競合関係にある他社がキーワード広告を購入することを禁止しないというGoogleの方針に対し、大きなプレッシャーをかけるものだ。Yahooはそのようなキーワード広告の購入をすでに禁止しているため、業界では事実上Googleだけが独自の方針を取っている。したがって、業界では広く行われている標準的な方法だという言い訳は通用しない。さらに重要なことは、Googleが法的に危うい立場に置かれたということだ。競合関係にある他社によるキーワードの購入が、どの程度直接的に商標権の侵害を構成すると見なされるかによって、Googleが権利侵害に寄与したと見なされる恐れが高まる可能性がある」と、Goldman氏はブログで述べている。
自動車保険会社Geicoが、自社の商標を使用したキーワードを競合他社に販売したとしてGoogleを訴えた商標権訴訟は、2005年9月に解決している。しかし、他の訴訟はまだどうなるかわからない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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