自動車保険会社のGeicoが、GoogleとOverture Servicesを提訴した。Geicoでは両社の提供する検索関連広告が、自社の商標権を侵害したとしている。
Geicoは、Warren Buffettが保有する投資会社Berkshire Hathawayの子会社で、米国時間5月4日にGoogleとYahoo傘下のOvertureをバージニア州アレキサンドリアの連邦裁判所に提訴した。
同保険会社の申し立てによると、被告の両社が同社の商標をキーワードとして複数の競合企業に販売し、検索結果を表示したページに競合各社の広告が出るようにした行為が商標権の侵害にあたるという。訴えによると、この行為が消費者の混乱を招き、商標法であるラーナム法に違反しているという。
Geico広報担当のJanice Minshallは電子メールで次のようなコメントを寄せた。「このような行為は、故意に消費者の誤解を招くものであり、またGeicoが膨大な額を投資して築き上げたブランドを、Geicoの競合相手や両被告が自らの営利目的で不法に活用できるようにしてしまう」
同保険会社はGoogleとOvertureに対し、損害賠償と、各々の広告サービスでの自社の商標の使用差止めを求めている。
自動車保険の通信販売で米国最大手のGeicoは、GoogleとOvertureの広告販売手法に関連して両社を提訴した米国企業の中でも最も知名度が高い。同社は、Googleが自社の広告サービスで販売するキーワードに対する権利を巡り、商標権保有者の権利を制限する計画を発表した1週間後に、既にこの訴訟を起こしてきた。
Googleは先に27億ドルの資金調達を目指して新規株式公開の申請を行ったが、今回の訴訟はそれからわずか数週間で起こされたことになる。Googleはこの申請書の中で、販売できるキーワードが一般用語に制限されることを余儀なくされた場合の財務リスクを強調していた。この申請書によると、同社の10億ドルという年間売上高のおよそ95%は検索関連広告からのものだという。
検索エンジン広告では商標乱用に関する苦情が多い。GoogleとOvertureは、テキスト広告と検索結果を組み合わせることで数十億ドル規模のビジネスを作り出した。このテクニックが有効なのは、製品やサービスを見つけ出す方法としてウェブ検索があまりに一般的になっているためだ。そのため、有料検索における自社のブランドや商標の規制を要求する企業が増えてきた。American BlindやWallpaper Factoryなどの企業は、検索エンジン各社に対して商標権を争う訴訟を起こしている。
だが、検索エンジンが各キーワードの商標権の侵害をどこまで確認すべきかという点について、米国の法律はあいまいなままとなっている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス