米国時間15日、連邦裁判事が検索広告での商標利用は合法だとの判断を下し、Googleは重要な裁判で勝訴を勝ち取った。
バージニア東部連邦地方裁のLeonie Brinkema判事は、米大手保険会社のGeicoが起した商標権侵害訴訟の却下を求めるGoogleの申し立てを認めた。Geicoは、Googleサイトで自社名を使って検索すると、結果のなかにライバルの広告が表示されることを問題視し、これを商標の侵害にあたるとしてGoogleを訴えていた。このような行為は自社の商標の価値を希釈し、消費者を混乱させるというのがGeico側の主張だった。
「法律に照らした場合、商標をキーワードにして広告を表示することは商標権侵害にあたらない」というのが判事の言葉だった、とGoogleの代理人を務めたKeker & Van Nestのパートナー、Michael Pageは述べている。
Brinkema判事は米国時間15日に結審し、この問題についての公式見解を発表した。また、同判事はGoogleとGeicoに対し、この問題を和解によって解決するよう勧告した。
今回の判決は、広告収益の最大95%をキーワード検索広告に頼るGoogleの大勝利に終わった。多くの人がウェブ検索を使って製品やサービスを探しているが、この際にたとえばNikeやGeicoなど商標登録された一般的なブランド名をキーワードに用いているため、商標は広告売上にとって重要な役割を果たしている。
法律の専門家らは、今回の判断が同様のオンライン商標侵害訴訟に対する先例となる可能性もあると指摘している。たとえばGoogleは、American BlindやWallpaperからもキーワード広告プログラムに関する商標権侵害で提訴されている。
「今回の判断が商標法の転換点となり、商標権所有者がネット上で商標権を主張することが難しくなるかもしれない」とGibson DunnのTerry Ross弁護士は述べている。
この訴訟ではこれまでGeicoが有利だと考えられていた。
Geicoは5月に、GoogleとOverture Serviceを相手取って訴訟を起こした。8月下旬には、Geicoによる6件の訴えを却下するようを求めるGoogleとOvertureの申し立てをBrinkema判事が退けていた。このときGeicoは、連邦商標法では、検索関連広告の表示に名称を使用することは商標権の侵害であり、不当競争であって商標の希釈になると主張していた。同判事はこの際に、不法干渉と公的業務謀議であるとの主張の却下を求める申し立てについては認めていた。
裁判資料によると、Brinkema判事は11月19日にも、略式裁判を求めるGoogleの申し立てを却下したという。
Geicoは今月はじめ、Overtureとの訴訟で和解している。なお、この和解内容については明らかにされていない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス