Googleは、欧州系リゾートホテルグループ、Le Meridien Hotels and Resortsの商標をキーワード広告を表示させる目的で使用してはならないとの裁定がフランスの法廷で下された。
フランスのナンテール裁判所は現地時間12月16日に、GoogleがLe Meridienの競合者に同ホテルの名称を利用したキーワード入札を許可し、類似する検索結果を表示する際にその名称を使用させていることで、同ホテルの権利を侵害していると判断した。裁判所の記録によると、Le MeridienはGoogleとの和解交渉決裂を受けて、10月25日にGoogleのフランス法人を提訴していたという。
同裁判所はGoogleに対し、Le Meridienが商標登録している単語に関連付けた広告表示を現地時間24日までに中止するよう言い渡し、同社のキーワード入札エンジンに一撃を与えた。Googleがこの裁定に従わない場合は、1日当たり194ドル(150ユーロ)の罰金が科される。Googleはまた、Le Meridienが同社の違反を申し立てた場合、いかなるときでも72時間以内に、Le Meridienのブランドに関連付けた広告表示を中止しなければならない。こちらも、遵守しなければ1日に150ユーロの罰金が発生する。Googleはまた、裁判費用の全額と、罰金2592ドル(2000ユーロ)も支払わなくてはならない。
Googleの関係者は、同社が今回の裁定を受けて上訴することを明らかにした。「われわれは引き続きこの訴訟を闘っていくつもりだ。原告側の主張は実体を欠いている、というのがわれわれの考えだ」(同社関係者)
この裁定は、Googleのドル箱ともいえる検索広告ビジネスに影を落とすもので、さらに欧州における同社の業績に影響を及ぼす可能性もある。
Googleは、売上の約98%を検索技術と結びついたキーワード広告から得ているが、こうした広告は大半が特定の商品やサービスのブランドもしくは商標に関連付けられている。ウェブ検索は、消費者が商品やサービスを探す際に最もよく利用する方法であるため、キーワード広告は非常に効果が高い。
だが、Googleが急速に成長し、世界中の市場へビジネスを拡大し始めていることから、検索広告における自社のブランド名や商標登録した言葉の濫用に歯止めをかけようとする企業が増えている。
欧州ではほかにも、商標登録者に有利な判決が出されている。たとえば、Louis Vuittonは、Googleとそのフランス法人を同様の商標侵害で訴えたことがあり、フランス法廷はこれを認めてGoogleに侵害の即刻停止と罰金の支払いを命じた。
一方米国では先ごろ、自動車保険会社Geicoと法廷で争ったGoogleが有利な裁定を勝ち取った。バージニア州の判事は12月に、法解釈上ではGoogleがGeicoの商標を特定の広告を表示させるために利用することは商標侵害とは言えず、またGeicoは自社商標の価値がこれにより実質的に下落したことを十分に立証していない、との判決を下した。なおGoogleは、American Blind and Wallpaper Factoryをはじめとする数社から、やはり商標侵害に関する訴訟を起こされている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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