マイクロソフト、「Mix '06」カンファレンス開催--B・ゲイツ氏が基調講演

文:Martin LaMonica(CNET News.com)
翻訳校正:坂和敏(編集部)
2006年03月22日 12時33分

 ネバダ州ラスベガス発--Microsoftは長年、Windowsを通してソフトウェアの世界を見てきた。その同社が、今度は自社のOSだけでなく、人気が高まりつつあるウェブ技術も理解していることを証明したいと考えている。

 同社会長のBill Gates氏は米国時間20日、当地で開催中の「Mix '06」で基調講演を行った。Mix '06は、ウェブとモバイルアクセスを組み合わせた新しいスタイルのオンラインアプリケーションを開発するデベロッパーを対象に、同社が今年初めて開いたカンファレンスだ。

 同氏によると、いつでもどこでも自分のデータにアクセスできる新しいウェブ技術の出現により、開発の世界は本質的に変わったという。これは、それまでのPC中心の世界とは大きく異なる世界だ。「今後の開発は、デバイス中心ではなく、ユーザー中心でなければならない」(Gates氏)

 Gates氏はまた、近年開発が遅れがちだったことを認めた上で、Internet Explorerの開発強化も約束した。

 「われわれはある意味で、ブラウザのリリースが遅れすぎたと言いながら自己の過失を肯定していた」と同氏は述べ、「大きなチャンスが見えているため、皆が早急に行動を起こすものと考えている」とした。

 Gates氏によると、MicrosoftはすでにInternet Explorer 7(IE7)の次にくる2つのバージョンの開発に着手しているという。IE7は、「Windows XP」の待望のアップデートである「Windows Vista」と一緒に今年中に出荷される予定(日本編集部注:その後、Vistaの出荷が2007年1月まで延期されることが公表された)。

 Microsoftはこの日、Internet Explorer 7 Beta 2プレビューの「リフレッシュ版」をはじめ、アップデートされた製品を複数リリースしており、「Atlas」AJAXウェブ開発キットもライセンスがアップデートされ、顧客がAtlasで開発されたウェブアプリケーションを運用できるようになっている。

 AJAXは昨年登場した造語で、JavaScriptやXMLを含むウェブ技術の組み合わせを指す。ますます多くの開発者が、これらのツールを使って古い「ファットクライアント」デスクトップシステムに取って代わる高機能なウェブアプリケーションを開発している。

 Microsoftの幹部らは今週、デスクトップPC、携帯電話、ゲーム機、Media Center PCなど、各種デバイス上でウェブアプリケーションを開発するための同社のソフトウェア製品群とLiveホスティングサービス群についてさらに詳しく説明することになっている。

 ウェブにつながるソフトウェアをより多くの一般ユーザーにもたらすことは、無視できない事柄だと同社は言う。「オンライン上で行われる活動がますます増えている。どの業界を見ても、人々が時間を費やしているのはオンライン上だ」と、MicrosoftのCharles Fitzgerald氏(プラットフォーム技術担当ゼネラルマネージャ)は言う。「われわれが一番最近出したウェブ関連技術は、顧客によるオンラインへの接続を改善するために利用できるものだ」(Fitzgerald氏)

 さらに、いわゆる「マッシュアップ」の人気の高まりを受けて、ウェブサイトに対する新しい見方が生まれている。マッシュアップとは、あるウェブサイトの一部と別のサイトの一部を組み合わせて開発した新しいアプリケーションを指す。現在、開発者はウェブサイトを自分のアプリケーションの「コンポーネント」として考えることが可能になっているとGates氏は言う。「これは時宜を得た強力なアイデアだ。そして、これはまだほんの手始めにすぎない」(Gates氏)

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