「これは群衆の知恵だ」:CraigslistとWikipediaの創設者が対談

文:Daniel Terdiman(CNET News.com)
翻訳校正:河部恭紀(編集部)
2006年03月14日 21時34分
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 テキサス州オースティン発--インタラクティブなインターネットコミュニティにCraigslistとWikipedia以上に愛されているウェブサイトが存在するかを考えることは難しい。

 その証拠に、米国時間3月13日にSouth by Southwest(SXSW)Interactiveで開催されたCraigslistの創設者であるCraig Newmark氏とWikipediaの創設者であるJimmy Wales氏との基調対談の会場には、少なくとも1000人の聴衆が押しかけた。

 対談の大半は、Newmark氏が同氏の熱烈なファンと直接対話する場となった。同氏のファンの中には、Craigslistで仕事や住宅、さらには結婚相手まで見つけた人も多い。一方、聴衆の中にはWikipediaに関するWales氏の話を沢山聞けることを楽しみにしていた人もいたはずだが、同氏は、結局Wikipediaについてあまり多くを語らなかった。

 その代わりに、大半の質問に答えたのはNewmark氏だった。Newmark氏は、まずWales氏が出した質問に答え、その後に聴衆の質問に答えた。

 仮にその対談にテーマがあったとすれば、CraigslistやWikipediaのようなコミュニティは、時折問題は発生するものの、ユーザーの一般的な信頼の上に成り立っているということだ。しかも、Newmark氏によると、それらは絶え間なく成長しているにも関わらず、信頼性は低下するどころか逆に増加しているという。ただ同氏は、常に警戒は必要だと付け加えた。

 Newmark氏は、「これはまさに群衆の知恵だ。陳腐な表現かもしれないが、ほぼ正確な表現といえるだろう」と述べ、さらに「今われわれがここで話題にしているのは民主主義だ。今それは機能しているが、抑制が効かなくなる前に注意しなくてはならない」と語った。

 興味深かったのは、TiVoは民主主義を保護するためのツールとなりうるというNewmark氏の持論についてWales氏が質問した際のNewmark氏の返答だ。

 Newmark氏は、最近の米国史上最大の問題の1つは、公選された議員らがテレビの選挙広告のための高額な費用を捻出するために恒常的に資金集めを行っている点だと述べ、TiVoにとっては今こそ米国の民主主義を守るチャンスだ、と説いた。

 Newmark氏は、「TiVo製品に限らず、デジタルビデオレコーダ(DVR)の素晴らしい点は、CMをスキップできることだ。これは私の空想だが、仮に全ての人が政治CMをスキップし始めたら、議員らは目的を果たせなくなる。そして、それは素晴らしいことだ」と述べ、「そうなると政治家たちは発言数を増やさなくてはならない。それこそが、私が自分の小さな空想の世界で感じていることだ。CM、少なくとも政治CMをスキップすることは全国民の愛国的義務であり、誰もが30秒間のCMをより簡単にスキップできるようにするのはDVRメーカーの愛国的義務だと私は考えている」と続けた。

 またNewmark氏は、市民ジャーナリズムの将来についても長時間に渡って持論を展開した。しかし、ブロゴスフィア(さまざまなブログで作り出されるコミュニティ)の一部の人々の間で、いわゆる主流メディアの終焉を求める声が強まっていることについて、同氏は、プロのライターや編集者の仕事は難しいため、彼らの存在は重要だと述べた。さらにNewmark氏は、重大事件の記事の執筆に長期間没頭したいと考えるプロの存在は重要だと語った。

 それでも、同氏は主流の報道機関の失態が増加傾向にあり、社会が被害を被っていると指摘した。そこで、主流の報道機関と市民ジャーナリストが力を合わせるのが理想的だと語った。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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