Advanced Micro Devices(AMD)が、Intelを向こうに回して難しいとされていた20%の壁を越え、ここ数年間で最高の市場シェアを記録したことが、CNET News.comの入手した情報から明らかになった。
Mercury Researchが来週発表の調査結果によると、AMDのシェアは第4四半期に出荷されたプロセッサ(デスクトップ、ノートPC、x86サーバ用を含む)全体の21.4%となったという。第3四半期におけるAMDのシェアは17.7%だったが、同社は第4四半期に3つのセグメントすべてでシェアを大きく伸ばした。
Mercury Researchの主任アナリストDean McCarronは、AMDのシェアについては確認したものの、同期におけるIntelのシェアについては来週最終的な数字が出てから確認するとした。
しかし、第3四半期にはIntelとAMDでx86プロセッサ市場の98.6%のシェアを占めていたことから、Intelのシェアを予測するのは難しくない。両社が第4四半期も98.6%のシェアを維持したと仮定すると、Intelのマーケットシェアは約77%になる。
2005年にAMDが躍進した大きな要因の1つは、サーバ用プロセッサ「Opteron」の出荷台数が急増したことにあった。前回AMDのシェアが20%を超えたのは2001年のことだったが、当時の同社にはサーバ市場に関する戦略などほぼ皆無だった。AMDのサーバ向けx86プロセッサの市場シェア(出荷台数ベース)は、第3四半期の12.7%から、第4四半期には16.4%へと増加している。
デスクトップ/モバイル市場におけるAMDの成長は、2005年後半も好調を維持した。第3四半期に20.4%だった同社のデスクトップ用プロセッサのシェアは、第4四半期に24.3%に達し、またモバイル市場のシェアは12.2%から15.1%へと増加した。
AMDのシェア上昇は、Intelが第4四半期に売上も1株あたり利益も目標に達しなかったことに起因する。Intelはこの不調の理由として、デスクトップPCの需要低迷と、解消できずにいるデスクトップ向けチップセットの供給問題を挙げている。
しかし、市場シェアの数字を見ると、Intelの問題は、同社のビジネスにもっと幅広い影響を与えているように思える。デュアルコアのOpteronは昨年4月から投入されており、Intelは、ことデュアルコアサーバプロセッサの投入に関しては、AMDに大きく後れを取ったかたちだ。Intelも10月にデュアルコアのXeonチップを投入したが、多くのアナリストは同チップについて、Intelが今年第1四半期に「Dempsey」プロセッサを投入するまでのつなぎ役に過ぎないと考えている。
ただし、IntelはPC市場全体のなかでも最も急速に成長しているモバイル分野で、他社を大きく引き離している。同社は先ごろCore Duoプロセッサを発売したが、これも技術面でAMDの先を行くものだ。AMDがデュアルコアのTurionチップをリリースするのは今年後半以降になるとみられている。
Current Analysisが先週公表したデータによると、昨年10-12月期の米小売市場におけるIntelのシェアは11%低下して53.3%となったという。ただし、この数字は米国の小売店経由で販売されたシステムに含まれるプロセッサの数しか含んでおらず、世界各地のシステムビルダーやディストリビュータ向けに出荷されたチップ全体の数を示すものではない。
なお、AMDではドイツのドレスデンに新しいチップ製造施設を建設中で、これにともない今後数年間で市場シェア30%の達成を目標としている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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