中国が、漢字ベースの新しいドメイン名を複数作成すると発表した。
中国は独自に、「.cn」「.com」「.net」のドメイン名を中国語で使うトップレベルドメインを3つ作成した。これらのドメイン名は、中国情報産業部が現地時間3月1日に運用を開始した。
漢字ドメイン名の作成により、中国がInternet Corporation for Assigned Names and Numbers(ICANN)から完全脱退し、Domain Name System(DNS)の国際的な統一性が損なわれるのでは、との憶測が流れている。DNSはドメイン名のリクエストを解決するサーバのネットワーク。
中国政府公認メディアであるPeople's Daily Onlineは、「これで、インターネットユーザーは米国のICANN管理下にあるサーバを経由しなくてもウェブを閲覧できるようになる」と伝えている。
一方のICANNは、中国政府からの情報が皆無に等しいとし、中国の計画に対するコメントを控えている。
「現在の状況は明らかにするつもりだ。ただ、報道内容が漠然としているため、中国が作成するドメインがトップレベルなのかセカンドレベルなのかで情報が錯綜している。現在は状況が不明だ」(ICANN)
インターネットの専門家らは、今回の動きが、中国が別に専用サーバを立て、独自にトップレベルドメインを管理するという事態に発展することを懸念している。このような事態が発生した場合、インターネットの分裂につながることが予想できるからだ。
「.name」ドメインを管理するドメイン名登録機関Global Name Registryの最高経営責任者(CEO)Geir Rasmussenは、「ICANNもわれわれも分裂を懸念している。エンドユーザーの混乱につながるからだ」と語っている
Rasmussenはさらに、「同じドメインに複数バージョンが存在するようになり、システムに対する信頼が失われる可能性がある。だれかが別のルートサーバで「.name」の運用を開始したら、エンドユーザーは自分が利用しているルートサーバに確信が持てなくなる。2人の別人につながる電話番号が存在するようなものだ」とも付け加えた。
2005年、インターネット上でICANNの権限に対して複数の国が抗議した。それが最終的には米国の管理下にあるためだ。
欧州連合をはじめとする各国は、新しいトップレベルドメインの追加や削除に関する判断など、米国も国連と一緒にDNSに関する責任を担うよう要求している。だが、Bush政権はこれに反対している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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