「.com」ドメイン名ビジネスをめぐる訴訟において、暫定的な合意文書が発表された。この合意文書により、登録事業を独占するVeriSignによる価格上昇に歯止めがかかるもしれない。
ドメイン名を管理する非営利団体のInternet Corporation for Assigned Names and Numbers(ICANN)は米国時間29日、これまでの内容を修正した合意文書を発表した。ICANNはここ数カ月にわたり、2005年10月後半に発表された最初の和解文書に関するパブリックコメントを精査してきた。
当初の和解文書は、利用者に大幅な価格上昇をもたらすとして各方面から非難を浴びていた。専門家らは、「.com」レジストリの管理権をVeriSignに永続的に与えるという提案に対し、ドメイン名市場に悪影響を及ぼすとして大きな懸念を示した。
修正された和解文書は、有効期限を6年とし、「.com」レジストリの管理権に関する契約を2012年に更新できるというVeriSignの「仮の権利」を保持している。
これにより、ドメインレジストリの基本料金は2006年末まで6ドルに設定されている。ICANNに支払われるこの金額は、VeriSignからサードパーティのドメイン名登録機関に転嫁されるが、各登録機関は顧客に対し任意の価格を設定できる。
2007年以降、VeriSignは公定インフレ率を大幅に上回る7%まで値上げを認められているが、これが認められるのは設定された6年の有効期限のうち4年だけである。新しい取り決めは、さらなる値上げの余地を残している。ただし、これが認められるのはICANNの方針に変更があった場合や「ドメイン名システムの安全性や安定性が攻撃によって脅かされ、多大な出費を強いられたことが文書で証明された場合」だけである。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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