ウルシステムズは2月21日、ジャスダック市場に新規上場した。上場に伴い2000株を公募し、1000株を売り出した。1株あたりの公募・売り出し価格は、55万円〜65万円の仮条件の上限である65万円に決まった。
上場初日は、午前9時30分頃に公募・売り出し価格に対して26万円高(40.0%高)となる91万円の初値を付けた。午後にはいると売り込まれる場面もあったが、大引けにかけて切り返し、結局終値は、同46万円高(70.8%高)の111万円だった。この日の安値は86万円、高値は117万円。出来高は8321株だった。終値の時価総額は154億2900万円。
ドリコムをはじめとして、ここ最近新規上場した企業は短期的な急騰による利益確定の売りがかさんで大幅安となっており、また新興企業全般もさえないといった市場の地合を考えると、ウルシステムズはまずまずのスタートになったといえるだろう。
同社は、独立系のシステムインテグレーターで、コンサルティングを手がける。ソニーや丸井など大手の実績もある。IT技術と業務分析、システム設計力を用いてIT戦略の立案や実行を支援するナレッジベースソリューション事業と、ソフトウェアを開発して販売するプロダクトベースソリューション事業の2つに分かれる。
両事業の核となるのは、専門性の高いプロジェクトによって得られた業務上、技術上のノウハウや知見をまとめた同社独自の方法論「UMLaut(ウムラウト)」だ。UMLautは単なるシステムの開発方法論だけではなく、事業戦略の立案や業務分析、業務モデルの策定、システム企画、要件定義などのノウハウ、方法論、ツールなどが常に蓄積されているという。
新規上場で調達した約12億円は、オフィス拡充のための設備資金やプロダクトベースソリューション事業拡大のための研究開発資金に充当する。
なお、2006年3月期の予想売上高は、ナレッジベースソリューション事業が前期比10.6%増の16億3000万円(売上比率93.1%)、プロダクトベースソリューション事業が流通業向け次世代XML-EDIシステムの新製品である「UMLaut/J-XML」を販売開始したことで、同9.4倍増の1億2000万円(同6.9%)を見込む。
ウルシステムズの単体通期決算予想
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