PC業界の先行きに暗雲?--期待はずれに終わったインテルの決算

文:Tom Krazit(CNET News.com)
翻訳校正:尾本香里、坂和敏(編集部)
2006年01月18日 13時02分

 Intelが発表した第4四半期決算が事前の予測を下回ったことを受けて、各企業の幹部やアナリスト、投資家らは、2006年のPC業界の見通しを不安視し始めている。

 Intelは米国時間17日に開催した電話会議において、第4四半期の業績が軟調だった理由として、デスクトップPCの需要が落ち込んだことを挙げた。Intelの発表によると、同四半期の売上は102億ドル、利益は1株あたり40セントだったという。同社は、2005年12月時点では、第4四半期売上高が105億になり、1株あたり43セントの利益を計上できると予測していた。

 今回の発表を受け、アナリストらは、業界全体への影響を不安視している。市場全体への影響範囲を見極めるための指標の1つとされるのはAMDの業績だ。同社は、18日に第4四半期決算を発表する予定。

 Stifel Nicolausの金融アナリストCody Acreeは「在庫がダブつくというのは、よくある話で、大した問題ではない。Intelがこれを測定する能力を持ち合わせていない点が問題だ」と述べる。

 PCの需要は、デスクトップPCからノートPCへと急速な勢いでシフトしている。Acreeによると、同四半期におけるデスクトップPCの出荷台数は、Intelやアナリストらが予測していたより少なかったうえ、同社は、自社のデスクトッププロセッサに対応するチップセットを十分に生産できなかったという。

 AMDは、Intelのこうした失敗につけ込んで市場シェアを拡大することに成功したと、Endpoint Technologies AssociatesのプレジデントRoger Kayは説明する。Intelの最高財務責任者(CFO)Andy Bryantは電話会議の席上、ローエンドデスクトップ分野を強みとするAMDは同四半期中にシェアを1%拡大しただろうと述べた。

 アナリストらによると、業界が販促期として重視する第4四半期のPC需要は、調査会社各社が2005年前半に予想した通りに推移した模様だという。

 NPD Techworldの業界分析担当ディレクターStephen Bakerは、年末商戦期におけるデスクトップPCの販売価格は約700ドルで、これは従来からの傾向に即した数字だと説明する。

 Bakerは電子メールによるインタビューに応じ、「デスクトップPCの価格が低迷している時期は、年末商戦期であっても、消費者により高額な商品を買わせるのは難しい」と述べる。Dellも、2005年の第2および第3四半期に業績不振を発表した際、より高スペックで利益率の高い商品を消費者に販売できなかったとして、同様の問題に言及している。

 Intelの決算発表は、IT業界に関する景気の先行きを占う指標として常に注目を集める。だが、現在のIntelは、イメージ転換を図っている最中で、消費者向けのPC技術に多額の投資をしたり、2006年後半に投入する新製品の準備に資源を費やしたりしている。アナリストらは、Intelが今年後半に投入する新製品が、AMDとの業績のギャップを縮小するうえで役立つものと期待する。

 「Intelは将来のモバイル製品に望みを託している。どこの会社も、業績が低迷したときは、状況を好転させて見せると言うものだ。しかし、数カ月前のDellと同様、Intelのマネジメント層は行き詰まりを感じている」(Kay)

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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