「ビデオゲームは男だけのものじゃない」--米で女性開発者らのイベント開催

Daniel Terdiman(CNET News.com)2005年10月31日 11時49分
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 テキサス州オースチン発--一般にビデオゲームは男性向けの娯楽と言われている。そのため、大半の人々には、ビデオゲーム業界で創造的な仕事に就いている女性は少ないと考えられている。

 もちろん、現実は世間で考えられているほど単純ではないが、それでもゲームデザイナーの大半が男性であることについてはほとんど疑う余地はない。実際に、国際ゲーム開発者協会(International Game Developers Association:IGDA)によると、ビデオゲーム開発者の88.5%は男性だという。

 男性のゲーム開発者たちは、大抵自分以外の男性がプレーすることを想定してゲームを開発している。空前の大ヒットを記録したPC用ゲーム「The Sims」は男女のどちらにも受けているが、例えば最も売れ筋の「Halo 2」「Madden NFL」「Grand Theft Auto: San Andreas」の3作品は、それぞれテストステロン(男性ホルモンの一種)の分泌が活発な年頃で、フットボール観戦や銃撃戦が大好きな人々をターゲットにしている。

 当地で開催された「Women's Game Conference」には、ゲーム業界で働く人々や同業界への就職希望者など合わせて数百名が参加し、男女間の性差による大きな価値観の違いを埋める方法について意見を交わした。このイベントは「Austin Game Conference」に併せて行われた。

 「(自分の存在を)顧慮してもらうのは非常に難しい」と、アリゾナ州にある私立大学、University of Advancing Technologyで学ぶKatelin Rosenburgは述べた。「私が受講しているゲームデザインの授業はいずれも、私1人しか女子学生がいない。男子は『女子はゲームなどしない』と考えているようで、彼らに(自分の存在を)顧慮してもらうのは非常に難しい。彼らは仲間同士でゲームをし、ガールフレンドとは遊ばない」(Rosenburg)

 同カンファレンスには200人が参加したが、そのうちの少なくとも8割は女性だった。このことは、女性ゲームプレーヤーにとっては朗報だ。しかし、より広範なビデオゲームビジネスにおいては、大半の業界関係者が認識している通り、男女比の割合は同カンファレンスの場合とほぼ正反対となっている。

 バーモント州バーリントンにあるChamplain Collegeの電子ゲーム/インタラクティブ開発プログラム担当アシスタントディレクター、Amanda Crispelによると、同プログラムに参加する100人の学生のうち、女子はわずか18%にすぎないという。

 無論、これまでも、ゲーム業界に就職する女性の数を増やす方法についての議論には事欠かなかった。しかし、Women's Game Conferenceを主催したGame Initiativeのエグゼクティブディレクター、Christopher Shermanによると、そのような議論はなかなか注目されないという。

 Women's Game Conferenceの出席者らは、ゲーム業界に以前から存在してきている、性別の多様化をはばむ障害を乗り越える上で、同カンファレンスが重要な役割を果たしていると考えている。University of Advancing Technologyで学務部長を務めるRebecca Whiteheadは、「(同カンファレンスをきっかけに)ゲーム開発者やゲームメーカーは、ゲーム中の女性の心理について考えたり、ゲームを誰もが楽しめるものにするために必要な(男女間の)微妙な違いについて考えるようになるかもしれない」と述べている。

 そしてこれは重要な点だ。なぜなら、性別の多様化が進めば、ゲームの質が向上し、また売り上げ増につながると多くの人に考えられているからだ。

 「女性は、創造的、技術的、さらに経営上かつ生産志向的なあらゆるものに、興味深いダイナミズムと高度に知的な力をもたらす」と語るのは、国際的なビデオゲーム企業THQ Studiosの人事担当ディレクター、Paula Fellbaumだ。「女性は・・・男性と同等の知性や優秀な生産能力をもたらす。さらに私は、女性はこの業界に入るために必死に努力しなくてはならないと考える。なぜなら、それによって(業界における男女の)均衡が図られるからだ」(Fellbaum)

 しかしFellbaumによると、ビデオゲーム業界では従来から、女性が結局、開発や設計よりも管理や美術などの部門に回されがちだという。

 その点を明らかにするために、会場にいたある採用担当者は、出席者の女性に対して、開発やプログラミングの仕事をしている人はどれくらいいるかと尋ねた。すると、挙手した女性はわずか10人ほどだった。

 それでも、ビデオゲーム業界の創造的職種に女性を勧誘する取り組みがより重要視されるにつれ、全ての人々--とりわけ大変つらく、時に「男にしか耐えられない」と言われるほどの長時間労働で知られる業界で働く人々にとって、状況が好転する、とFellbaumは指摘した。

 同氏は、「(仕事とプライベートの)バランスに対する期待は(男性よりも)女性の方が大きい」と述べ、さらに「女性たちは、1日の労働が終われば帰宅し、それ以後は電話の電源を切り(仕事の電話には出なくても良い)という労働条件を期待している」と付け加えた。

 「ゲーム業界の労働条件をより快適なものにすることが極めて重要だ」と、非営利組織「Girls in Games」の相談役を務めるライター、Sande Chenは語った。これまで、Electronic Artsをはじめ、多くのゲームメーカーが開発者に大変な激務を強いているとして非難を浴びてきた。

 今年のGame Developers Conferenceに参加したChenは次のように語った。「(カンファレンスに出席した)若い女性たちの話によると、彼女たちは多くの企業から誘いを受けており・・・(ビデオゲーム業界の)勤務時間を見て、Googleのほうが勤務時間も短く、労働条件もいいと分かったため、Googleに入社するつもりだという」

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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