ロサンジェルス発--ブームに沸くゲーム業界が、エンターテインメント業界を支配するメディアになろうとするなかで、ハードコアユーザーを満足させつつ、女性などの新しいユーザーを獲得するという新しい課題に直面している。
「若い女性をはじめ、女性一般には、ゲームはボーイフレンドや夫がするものだという先入観があるが、こうした認識を改めるためには文化的なシフトが必要だ」と、エンターテインメントソフトウェア協会(ESA)会長のDouglas Lowensteinは米国時間18日に、「Electronic Entertainment Expo(E3)」で開かれたプレスカンファレンスで語った。
Lowensteinによると、ゲーム業界がこれまで18歳〜34歳の男性という中核グループのニーズにうまく応えてきていることが、各種の統計で示されているという。だが、女性や35歳以上の成人は、中核グループの人間ほど熱心にゲームをプレイしていない。
「オンラインチェッカーと『Halo』の中間ぐらいがスイートスポットになる。業界が成長路線を維持するためには、ここを満たす必要がある」と、Jupiter ResearchアナリストのMichael Gartenbergは述べている。
ゲーム業界が、コアユーザー以外の市場になかなかリーチできずにいるため、ゲームはプロレスと同じでメインストリームのエンターテインメントではないとの印象を抱く人間も多い。だが、ゲーム業界が成長し、現在では同業界の売上が映画業界を上回ると予想する人間も出てきているなかで、こうした認識は徐々に変わってきている。
ハードウェアとソフトウェアの販売を含むゲーム業界の規模は、映画の興行収入を超えた。だが、DVDのレンタルと販売、おもちゃや洋服などの関連商品を持つ映画業界全体の売り上げは480億ドル規模に達しており、280億ドルのゲーム業界をはるかに上回っている。
Microsoft、任天堂、ソニーの3社は先週、各々の次世代ゲーム機に、ビデオチャット、旧製品との互換性、オンラインショッピングなどの新機能を搭載すると発表したが、これらの一部はまだリーチできてきないユーザーを引き付けることを狙ったものだ。
女性が完全にゲーム業界から締め出されているというわけではない。ESAのデータによると、女性による売上はゲーム機市場の3分の1を占めており、PCゲーム市場では40%を占めるという。
「これらの女性の多くはヘビーユーザーではなく、彼女たちがもっと簡単に受け入れられるようなコンテンツをわれわれがつくり出せれば、より多くの時間とお金をゲームというエンターテインメントに注ぎ込む可能性が高い」(Lowenstein)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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