「時は金なり」ならぬ「時は金以上」と考えている米国人労働者が増えていることが、米国時間の11日に発表された調査結果で明らかになった。
給与の支払いに関するデータやソフトウェアを提供するSalary.comが昨年11月に実施した調査で、5000ドルの昇給と5000ドル相当の休暇のどちらを選ぶかという質問をしたところ、全回答者の39%が休暇を選択した。同社によると、3年前に行った調査では、同様の質問で休暇を選んだ回答者の割合は全体の33%だったという。
今回の調査結果では、IT専門職に従事する人々の選択傾向の詳細は明らかにされなかったが、4600人以上の労働者を対象に行われた今回のオンライン調査では、ITおよびエンジニアリングが回答者の多かった業種の上位15種に含まれていた。また、全体的に見て、多くのハイテク企業がより多くの従業員にフレックスタイム労働を認めつつある現状に合致した結果が出た。
「今回の調査結果は、労働者の間で、これまでの仕事第一の発想から個人的関心事をより重視する考え方へと、自分の中の優先順位を変える傾向が引き続き強まっていることを示している」と、Salary.comのコンシューマプロダクト担当バイスプレジデントTim Driverは声明の中で述べた。同氏はさらに次のようにいう。「労働者は、労働時間の増加、人員削減、生産性向上への強い圧力によって生じるストレスを解消する必要があると述べている。また今回の調査結果から、新しい世代の労働者たちの優先事項は、彼らの先輩たちのそれとは全く異なっていると結論付けることができる」
Families and Work Instituteによると、1970年代末から労働者の平均就業時間が増加傾向にあるという。ゲーム開発会社の従業員らは、企業が労働者に対し法外な長時間労働を強いているとし、自分たちが置かれている窮状を声高に訴えてきた。
Salary.comによると、今回の調査に参加した一部の人々は、1990年代のITブームの際の長時間労働とその後のレイオフによって、自分の時間を犠牲にしてでも多くの給料を得たいという欲求が低下したと述べているという。
Salary.comの給与担当シニアバイスプレジデントBill Colemanは、「Salary.comが実施した今回の調査で明らかになったこの傾向は、経済や労働者の変化と相まって、経営者に新たな圧力をかけることになるだろう」と述べ、さらに次のように続けた。「ベビーブーマー世代が退職し始めれば、経済は再び上昇に転じる。経営者は数年以内に、労働力不足に見舞われる可能性がある。それに、労働者の仕事に対する意識も変化していることから、経営者は今後、労働条件をより柔軟に調整していく必要があるだろう」と語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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