ヤフーとMSがメッセンジャーで連携--実現しても日本だけは暗雲

別井貴志(編集部)2005年10月12日 21時45分

 米MicrosoftとYahooが、インスタントメッセージング(IM)サービスの分野での提携を米国時間の10月12日に発表することが報じられている(関連記事)が、これに関して詳細は得られなかったものの、日本のマイクロソフト関係者からも、そのような発表が行われる見通しであることが確認できた。ただし、日本のヤフーからはコメントを得られなかった。

 おそらく、12日にグローバルな提携としてIMの相互乗り入れ、つまり「Yahoo! Messenger」と「MSN Messenger」のユーザー間でメッセージのやり取りなどができるようになることが発表されるだろう。これが、Google TalkでIMに参入したグーグルを意識した戦略かどうかは正式な発表を待ちたい。

 ただし、この話が実現したとしても日本のユーザーはその恩恵に預かれないかもしれない。マイクロソフトのMSN Messengerは、世界共通のネットワークシステムであるMicrosoft Passport Networkですべて管理、運営されている。もちろん、米国と日本で同じアカウントIDを取得するようなことはできない。

 この一方でヤフーは世界共通のシステムではない。唯一、日本だけがまったく異なるシステムを使っており、データベースも完全に切り離されている。そのため、ヤフーが日本でサービスを開始した当初は、日米のヤフーそれぞれにまったく同じIDを登録できた。こうした異なるシステムの運用は現在でも変わらないが、IDの重複登録に関しては数年前からできないようになった。また、日米で同じIDを重複登録しているユーザーなどに対してヤフーは、片方を削除するように働きかけている。

 こうした状況を考えると、提携が発表されてYahoo! MessengerとMSN Messengerが世界的に相互接続されるようになったとしても、日本のYahoo!メッセンジャーだけは取り残されてしまう可能性が大きい。日本のヤフーが利用している独自システムとも相互接続できる仕組みを採らないと、日本のMSN メッセンジャー利用者と米国のYahoo! Messenger利用者はやり取りができるのに、日本のYahoo!メッセンジャー利用者はやり取りができないといった変な話になりかねない。現状では、米国のYahoo! Messengerと日本のYahoo!メッセンジャー間ですら相互接続されていない。ちなみに、米国のYahoo! Messenger同士では、日本語でメッセージを送受信できる。

 なお、日本のヤフーとマイクロソフトは「迷惑メール対策連絡会」を発足してスパムメール撲滅などでは協力関係にある(関連記事)。

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