Gartnerが発表したレポートによると、全世界PC出荷台数は2005年から2006年にかけて増加するものの、売上高は0.4%減少する見込みだという。なお、Gartnerは、2005年のPC市場が2027億ドル規模になると予測している。
また、同調査会社によれば、PC出荷台数は2005年に前年比12.7%増の2億660万台に、さらに2006年には前年比10.5%増の2億2829万台に増加するという。
このデータからは、PCに対する需要が高まっているにも関わらず、メーカーに厳しい価格圧力がかかっていることが分かる。
基本構成のデスクトップPCの価格が、これまでにないくらいの水準まで下落している。例えば、CompUSAは週末のお買い得品として、Hewlett-Packard(HP)のデスクトップPC「Pavilion」をモニター込みで199.99ドルで販売すると宣伝している。この価格は通常より、約370ドル安い。Dellは先頃より、エントリレベルのデスクトップPC「Dimension」を299ドルで販売している。いまや399ドルのデスクトップPCも珍しくない。
値下げは、PC業界で当たり前のことだ。PCを構成するプロセッサなどの部品の性能が上がるにつれ、従来品の価格が下がり、それをメーカーが安く買い取るからだ。
ノートPCをめぐる競争も過熱している。例えば、7月にDell、HP、Acerの各社は499ドルのWindowsノートPCを発表した。それまで、一流メーカーがノートPCをこれほどまでに低価格で提供することはなかった。また低価格のノートPCにはWindowsが搭載されていなかった。
デスクトップPCからノートPCに乗り換える消費者が多いことも、PC出荷台数を押し上げる要因となっている。これは、PCメーカー各社にとって朗報である。デスクトップPCに比べ、ノートPCの方が消費者の買い替え周期が短いからだ。
Gartnerによれば、Intel、Advanced Micro Devices製のチップや、PowerPCを搭載するデスクトップPC、ノートPC、サーバが、2005年4月から6月の間で、合計で4660万台出荷されたという。
また、DellやGatewayが発表した、PCの売上が予想を下回るという業績予測も、デスクトップ市場においてPCメーカーは限界に達したのでは、と述べるアナリストらの注目を集めた。
GartnerのPC市場予測レポートを共同執筆したアナリストのGeorge Shifflerによると、IBMがPCビジネスをLenovoへ売却したのも、デスクトップPC市場で行われている大規模な移行の氷山の一角にすぎない可能性があるという。また、トップ10にあるPCメーカーの内、2007年までに残っているのは3社だけというGartnerの予測をあらためて述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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