ニフティは9月28日、インターネットによる音楽配信事業を開始すると発表した。サービスの名称は「MOOCS」(ムークス)で、10月31日より開始する。
MOOCSにて提供する楽曲数は、サービス開始当初で約15万曲。2005年末までには約20万曲以上を提供するという。楽曲の中心価格帯は1曲につき150円から200円程度。配信形式はSD-Audio(AAC)で、配信ビットレートは128kbpsとなる。SDメモリーカードに楽曲を保存すれば、携帯電話端末を含むAAC対応のオーディオ機器で再生が可能だ。
ニフティがレコードレーベルや権利者と直接契約する。契約を交わした企業について、ニフティでは現時点で非公開としているが、東芝EMI、ダイキサウンド、ドリーミュージックのサンプル楽曲を10月4日から開催されるCEATEC JAPANにて公開する予定だとしている。
デジタル著作権管理は、東芝の開発した著作権保護システム「MQbic」(マルチキュービック)を採用している。また、楽曲をSDメモリーカードへ保存する際には、SDメモリーカードにおける不正コピーを防止するためのコンテンツ保護方式「CPRM」(Content Protection for Recordable Media)を用いる。
ニフティの古河社長。デジタルコンテンツ事業の拡大第一弾が音楽配信事業だという |
MOOCSでは、@niftyの会員でなくとも、クレジットカードや「WebMoney」、「Mobile Edy」などのプリペイド式電子マネーにて楽曲を購入できる。ただし、利用するにはニフティが無料で提供するMOOCS専用のPC音楽管理・再生ソフト「MOOCS PLAYER」が必要となる。PCにインストールした同ソフトを通じて、楽曲の購入やダウンロードができる。MOOCS PLAYERは、松下電器産業が「SD-Jukebox V5.0」をベースに開発したもので、SD-Jukebox V5.0でもMOOCSの利用が可能だ。
専用のプレイヤーが必要となることで、利用の敷居が高くなり普及に至らないのではないかとの懸念もあるが、ニフティ 代表取締役社長 古河建純氏は、「専用ソフトが必要かどうかということより、このサービスは携帯電話端末でも音楽が聴けることが特徴だ。現段階でSD-Jukeboxは、iTunesほど普及していないかもしれないが、ソフトで音楽配信サービスのシェアが決まるとは思っていない」とし、さまざまな端末で楽曲の視聴が可能なMOOCSの優位性を語った。
ニフティでは、今後もデジタルコンテンツ事業を拡大するとしており、同事業をインターネット接続サービス@niftyに次ぐ事業の柱として位置づける考えだ。将来的には、音楽配信のみならず映像配信なども手がけるとしており、2007年度末におけるデジタルコンテンツ事業の売上目標を80億円としている。
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