デジタル音楽配信企業と音楽出版社の間で進められてきたロイヤリティに関する交渉が決裂した。Yahoo、RealNetworks、Napsterが提供するオンライン・サブスクリプションサービスの将来に暗雲が立ち込めている。
音楽業界とサービスプロバイダは何年間も、ダウンロード無制限の月額制サブスクリプションサービスから作曲家や音楽出版社が受け取るべきロイヤリティの額について、議論を重ねてきた。
一方、Apple ComputerのiTunes Music Storeなどのダウンロードサービスが支払うロイヤリティは、ずいぶん前に決定している。だが、サブスクリプションサービスは、2001年に音楽出版社との間で取り交わされた暫定協定に基づいて、現在も運営を続けている。
米音楽出版社協会(NMPA: National Music Publishers’ Association)のCEO、David Israeliteは、「問題は、4年間にも渡り交渉を行っているのに、作曲家や出版社には1セントも分配されていないということだ。デジタル音楽市場は、必然性の欠如によって抑制されてきた」と述べている。
NMPAと、Yahoo、RealNetworks、Appleなどの大手企業も加入するDigital Media Association(DiMA)との間で行われた今回の交渉では、両社が価格を巡って激しく衝突した。
NMPAは、ラジオ局やダウンロードサービスが支払う様々なタイプの著作権料金をひとまとめにした、サブスクリプションサービス用のライセンス案を提案した。
サブスクリプションサービスにはストリーミング形式のものとダウンロード形式のものが含まれるため、こうした「ユニライセンス」が必要であると、と音楽出版社側は主張している。
さらに同協会は、配信サービスの総売上の約17%を、作曲家や音楽出版社に対して支払うよう求めている。作曲家や音楽出版社は従来、オンラインラジオで5.25%、デジタルダウンロードで8.5%を徴収してきた。今回提示された割合は、従来の設定よりはるかに高い。
これに対して、配信サービス企業側はこの設定が高すぎると主張し、6.9%に引き下げるように主張している。現在、交渉は中止され、代わりに怒りに満ちた書簡が両者の間で飛び交っている。
DiMAのエグゼクティブディレクターJon Potterが米国時間8月26日にNMPAに送った書簡には、「音楽サービスプロバイダは、創造的な仕事の価値を公正に判断し、その著作権所有者全てに対して著作権料を支払うことに、情熱をもって取り組んできた。同時に違法ネットワークを撲滅し、ビジネスを成功させてきた」と書かれている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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