CJICレポート6:自社エンジンの開発で勢いを増すヤフー、検索サービスの方向性を語る

奥隆朗(編集部)2005年07月14日 22時17分

 検索サービスプロバイダ各社は、顧客獲得のためのサービスの開発に余念がなく、新サービスを次々と発表している。この業界では老舗となったYahoo!でも、新たな検索サービスの提供に加え、既存サービスのブラッシュアップや、既存サービスと新サービスの融合によるユーザビリティの向上に努めている。米Yahoo!でヤフー・サーチ インターナショナルプロダクトマネージメント ディレクターを勤めるトミ・J・ポータネン氏は、CNET Japan Innovation Conference 2005 Summerの特別講演にて、同社の検索コンセプトである「FUSE」や新サービスについて語った。

情報量の増加で検索がさらに重要に

「コンテンツと検索の融合が知識のFUSE(Find、Use、Share、Expand)を生む」とポータネン氏

 講演の冒頭でポータネン氏は「これまでは本を読むか、友人などに聞くかしなくては知り得なかった情報が、検索を使えば簡単に手に入るようになった」と、現在の検索の重要性を強調した。同氏は、実体験の1つとして「自分の妻は感染病を専門とする医者だが、先進的に検索を活用している。2年前にSARSが流行した時も、治療に関する文献などの情報が少なかったにもかかわらず、中国のニュースや病院のプレスリリース、医学情報サービスなどを検索で探し出し、治療法を調査して早期に対策を取ることができた」と語る。

 このように、インターネットにはさまざまな情報があふれている。同氏によれば、「インターネット上に存在するドキュメントの総計は、6年前は1億だったが、現在ではその24万倍となり、1日あたり10億ドキュメントの割合で増加している。年間では7000%の成長を遂げている」と言う。

 検索サービスの進展には、当然テクノロジーの進化も関与している。10年前に登場した初期の検索サービス「AltaVista」では、大型のメインフレームで処理していたことが、現在ではインテルやAMD製のCPUを装備した低廉なサーバで実現できるようになった。また、システムの拡張が容易となったことも、検索サービスの進歩に寄与したといえるだろう。

 こうした状況を踏まえ、Yahoo!では2004年2月18日に独自の検索エンジンを導入した。実は、Yahoo!のそれまでのアプローチはディレクトリ検索を重視しており、ロボット検索にはGoogleのエンジンを採用していた。しかし、「2年前、検索技術にも注力すべきだということになった。また、Yahoo!の内部には、10年間インターネットの経験を積んだ十分なリソースがあると判断した」とポータネン氏は語る。Yahoo!は、自身が持っている多くのコンテンツ資産を生かすためにも、検索エンジンの独自開発に踏み切ったのだ。

 現在のYahoo!にとって、検索はプラットフォームであり、「累積してきた知己を生かし、必要な情報を絞り込んで提供するもの」だという。加えて同社は、「累積された知識を共有し、創造へと生かすこと」をミッションとして掲げている。Yahoo!ではこの検索のコンセプトを、「Find(見つける)、Use(使う)、Share(共有する)、Expand(拡大する)」の頭文字を取って「FUSE」と名付けている。ちなみにFUSEには、知識が融合(フュージョン)するという意味が含まれている。

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