悲劇的なgooリサーチ結果--SNSは認知も利用もされていない

別井貴志(編集部)2005年07月11日 17時10分

 NTTレゾナントと三菱総合研究所が共同で行っているインターネットアンケートサービス「gooリサーチ」は7月11日、登録モニターを対象に「ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)の利用実態」に関する調査結果を発表した。2005年5月31日から6月2日の期間に非公開型のインターネットアンケートを実施し、有効回答者数は2070名で、その性別比率は男性が47.4%、女性が52.6%だった。

 調査対象者のうち、現在SNSを利用している人は6.6%、過去に利用経験がある人は2.2%と、利用経験者の割合は合計でほんの8.8%と、全体1割にも満たない。また、SNSというサービスの存在を知らない人は52.6%と過半数を占め、名前だけを知っている人も27.0%にとどまり、SNSの認知度は非常に低い。

 そして、こうした「利用したことがない」と回答した人に、SNSの内容を説明した上で今後の利用意向を尋ねると、「あまり利用したくない」、「絶対利用したくない」という回答を合わせて72.7%に達した。逆に「ぜひ利用したい」はわずか2.3%に過ぎず、利用に対しては否定的だ。利用したくない人に、その理由を自由記述で尋ねたところ、「自分の個人情報を(不特定多数の人に)公開することへの不安」が圧倒的に多く、そのほか「紹介制度の手続きの面倒さ」、「利用することへのメリットがわからない」などがあった。

 こうした結果についてgooリサーチでは、「今後のSNSの普及に向けて、一般的にはネガティブに語られることが多いインターネットにも、『リアルな社会と変わらず心地よくコミュニケーションを交わせる場』があることを、サービス事業者側からユーザーに訴えかけていく努力が必要と考えられる」

 なお、SNSの内容は「友人・知人を紹介することで人脈を拡大することができるサイトである。登録(参加)には既に参加している人から招待メールを受け取ることが必要で、この点が従来のコミュニティサイトと異なる点だ。サイト上では自分のプロフィールや写真を公開できるほか、『小学校の卒業生』など特定のコミュニティに登録して人を探したり、見つけた人にメッセージを送るなどの機能がある。多くのサイトは無料で参加できる」と説明した。

 この一方で、利用している人に利用サイトを聞くと、もっとも利用されているのはイー・マキュリーが運営する「mixi」で、利用者の44.1%が回答した。次いでライブドアが運営する「livedoorフレンドパーク」の23.5%、グリーが運営する「GREE」の20.6%と続く。ライブドアは2005年1月にサービスを開始して、他の2社に比べて1年近く参入が遅かったが、利用者を増やしつつある。

 また、利用頻度では、ほぼ毎日SNSのサイトにアクセスする人は33.1%、週4〜5日アクセスする人も18.4%と合わせて51.4%いる。登録している友達の数は2〜4名が41.9%ともっとも多く、10名未満の人は全体の74.3%を占めるが、20名以上の人は全体の11.9%にすぎず、大半が少人数の登録にとどまっている。

 利用者における今後の利用意向については、「ぜひ利用したい」、「できれば利用したい」とする回答者が合わせて84.5%もあり、継続して利用したい意向がうかがえる。「絶対に利用したくない」と回答した人は1人もいなかった。ただし、SNSが有料になった場合、「必ず利用する」と回答したのはわずか2.9%で、「おそらく利用する」との回答も14.7%と低い。逆に「絶対に利用しない」は21.3%、「おそらく利用しない」は61.0%と合計で82.3%の利用者がサービスの有料化に強い抵抗感を示している。

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