ソーシャルネットワーキングサイトのLinkedInが間もなく、求人企業に対する課金を開始する。価格は、求人情報1件につき95ドル。ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)は、先行きが不透明ながら、徐々に有料サービスへと移行している。
SNSは、収益モデルの確立が求められてきた分野の1つだ。Friendsterなどのサイトは、これまで入会料の徴収に及び腰だった。というのも、互いにリンクされた個人のネットワークは多数の会員がいて初めて価値があるものであるのに対し、入会料を徴収すれば顧客離れを引き起こしかねないためだ。
しかし、専門職種の人材を引き合わせることに重点を置き、200万人以上の会員を抱えるというLinkedInは、米国時間3月1日に同社初の有料サービス「LinkedIn Jobs」とブラウザ用アドオン「LinkedIn JobsInsider」を発表する予定だ。
LinkedInのマーケティング担当バイスプレジデントKonstantin Guerickeは、「職を探していて、しかもその道のプロであるなら、誰に連絡すれば求人情報を得られるか知りたくなるだろう」と述べ、さらに「LinkedInで検索すれば、その情報を得ることができる」と付け加えた。
求人情報の掲載料を徴収しようという発想は、目新しいものではない。広告を掲載せず、その他の料金も徴収していないCraigslistは、事実上、求人情報の掲載料収入に依存している。
Friendsterは2月28日、広告収入だけで十分な利益を上げているため、今後もユーザーから料金を徴収する予定はないと発表した。Tribe.netは、将来、特定種類の情報掲載について料金を徴収する可能性があるが、当面はそのような予定はないと語った。
ビジネス系のSNSとして、LinkedInと競合するRyzeは特定のサービスを利用したユーザーに課金している。またSNS色の強いフォトサイトFlickrはストレージ容量を追加する場合にのみ料金を徴収している。
LinkedInのGuerickeによると、同社はさらに別のプレミアムサービスを提供する予定だという。
同社は、今後いくつかのプレミアムサービスを立ち上げ、2006年前半には事業を黒字化させる計画だ。
求職者はLinkedIn Jobsを利用して、求人情報を検索し、情報掲載者の知り合い、あるいは知り合いの知り合いを探すことができる。ブラウザ用アドオンのJobsInsiderを利用すると、別のウインドウが現れ、求人情報を掲載している企業とつながりのある登録者が表示される。
LinkedInによると、同サイトでは現在、30万件の求人情報を掲載しており、2005年夏までにはその数が100万件を突破する見込みだという。カリフォルニア州パロアルトに拠点を置くLinkedInは、2003年11月にSequoia Capitalから470万ドルの資金提供を受け、2004年10月にはGreylock PartnersからシリーズB増資で1000万ドルを調達している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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